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真夜中のティータイム

気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。

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黄昏に眠る秋(ヨハン・テオリン/ハヤカワポケットミステリ)」、読了。
霧深いスウェーデンのエーランド島で、ひとりの少年が消えた。それから二十数年後の秋、少年の祖父であるイェルロフのもとに、少年のサンダルが送られてくる。この事を知った少年の母親のユリアは、故郷のエーランド島に戻ってくる。

第一印象…なんと、情景描写の美しい小説だろう。しかも最近のミステリーにしては珍しく、非常に上品。その為、読んでいて、実に良い気分だった。もう一つ感心したのは、空間の描き方の上手さ。特にユリアが廃屋を探索するシーンは、かなり凄い。読みながら、もうゾクゾクだったよ。たぶんこの作者は、ストーリーではなく、空間で物語を語れる数少ない作家でないだろうか。そう言う意味ではゴシック小説に合っているかも…っと思ったら、次回作はゴシック色に強い作品らしい。これは楽しみだ。ところで本作は、この作者の処女作になるらしい。そのためか、全体的に少々間延び気味なのが残念。だが欠点はこれくらいで、ミステリーの要である真相部分もかなり意外だし、先に書いたように長所が多い。つまり、かなり出来の良いミステリーと言って良いだろう。…っと同時に、この作家の今後が楽しみ。

今日の映画
キャバレー(アメリカ/1972年)
30~40年代に作られた明るい明るいミュージカルとは一線を画す作品。実は私がこの作品を初見したのは子供の頃で、観て拒否反応を示した。それもその筈、この作品のショーの部分が退廃、アブノーマル、反社会的、下品、卑猥に満ち溢れている。更にドラマ部分も暗く、切なく、苦しい。確かに今観ればよく分かるのだが、子供には無理な話だ。ショーが狂乱するに従い、現実はユダヤ人迫害やナチの暗い影が忍び寄る。そして、主役の二人は決して結ばれることはない。ショーの明るさと、現実の暗さ。分かる、今なら分かる。分かるが、やはり個人的には、この映画を認めたくない。だって、ミュージカルは明るく楽しく…であって欲しいから。もっとも、ショーのシーンは凄い。特にライザ・ミネリの最後のナンバー「Cabaret (キャバレー)」は圧巻。曲も名曲中の名曲と言って良い。

ところで、このライザ・ミネリの母親のジュディ・ガーランドは、彼女でさえ足元にも及ばないくらい凄かったらしい。しかも、ジュディ・ガーランドの舞台を実際に観た人の話では、映画の中のジュディ・ガーランドはその魅力の1/10も出てないらしい。それって、どれほど凄いんだよ。見当もつかない。出来れば、一回で良いから舞台を観てみたいが、それも今となって敵わない夢だ(ジュディ・ガーランドがすでに故人の為)。

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