真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「閉ざされて(篠田真由美/角川書店)」、読了。
「わたしは自分の顔が嫌い。醜いこの顔が嫌いだ。」。函館の人里離れた豪邸・雪華荘にひっそり住んでいる汀(みぎわ)は、出来るだけ人との接触を避けて生活していた。だが邸には、体の不自由な父親と、財産目当ての後妻、そして、その子供たちが住んでいるため、心が落ち着かない。汀は兄の勧めで、苦しい胸の内を手記にしたため始めるが…。
最後の解説に「ゴシック、ゴシック」と書いているが、これはどう見てもゴシック小説でない。作者が後書きで書いている「倒叙ミステリー」の方がまだしも近い。ただ作品自体がミステリーミステリーしてないので、あえて言えば「ミステリー風歪んだ人間ドラマ」か。そうかと言って、ミステリー色が弱いのかと言うとそうでもなく、最後の真相解明などは結構本格派している。つまり、殺人事件が起こって、容疑者がいて、名探偵が現れて…っと言う正統派ではないと言うだけの事。さて、本作は一応中盤に起こる心中事件がメインとなる。だがはっきり言って、この事件自体は大したことない。本作の最大の魅力は表面に現れない(最後で分かる)、ある隠されたトリックなのだ。その為、如何にも篠田真由美らしい作品に仕上がっていた。ただ、これが成功したかどうかは微妙。私自身はそれほど驚かなかった。「ほー、なるほど」と思った程度だ。似た趣向なら、同作家の「すべてのものをひとつの夜が持つ」の方が遥かに優れていると思うのだが。★★★☆☆
今日のアニメ
・好きっていいなよ。 #5「このままが」
・新世界より #6「逃避行」
今日のドラマ
・THE RIVER 呪いの川 #1「魔法に満ちた場所」…スティーブン・スピルバーグと「パラノーマル・アクティビティ」のオーレン・ペリ監督が製作したフェイクドキュメンタリー。最近、フェイクドキュメンタリーの映画はやたらと多いが、TVドラマまでフェイクドキュメンタリーになるとは。もっとも、本作は出演者が演技しまっくているので、普通のドラマにしか見えないけど(笑)。しかし、これ、結構面白いな。中盤以降のサスペンス描写はかなりのものだし。ただ、金を払って観るほどではないけどね(今回は無料放送分を視聴)。