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真夜中のティータイム

気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。

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51番目の密室(早川書房編集部・編/早川書房)」、読了。
名アンソロジー「37の短編」の中の約1/3を収録した短編集。以前読んだ「天外消失」と合計で、「37の短編」の収録作のほぼ2/3読破する事が出来た。さて、残り1/3はどうしようかな。

「うぶな心が張り裂ける(クレイグ・ライス)」→弁護士マローンの依頼人である死刑囚が、独房の中で首を括って死んだ。彼は疑問に思う。「裁判のやり直しが決まっていたのに、何故自殺したんだ?」。…内容から、これが自殺でない事は誰にでも分かる。なので、謎のメインはその方法となる訳だが、これが結構意外。冷静に考えれば、この方法しかないのが、あまりにも単純過ぎて、逆に分からなかった。★★★★☆
「燕京綺譚(ヘレン・マクロイ)」→昔、北京の日本大使館で行われた舞踏会の帰りに、一人のロシア娘が忽然と姿を消した。…ミステリーとしての面白さは皆無。どちらかと言うと歴史小説、もしくは人間ドラマ。だが本作の一番の面白さは、作者がついた大ウソ。最後に訳者がこの事に注釈を付けているが、作者自身は注釈を付けずに書いているのだから凄い。★★★☆☆
「魔の森の家(カーター・ディクスン)」→ドアも窓も閉まっている密室から、12~3歳くらいの少女が姿を消した。1週間後、同じ密室に少女が現れた。少女にはその間に記憶がない。それから20年後、再び同じ事が起きるが。…如何にもカーらしい怪奇趣味と不可能犯罪で、実に楽しい。ネタばれになるので詳しい事は書かないが、最初の消滅は機械トリック、二つ目が心理トリック。タイプの違うトリックを融合させたのは面白いが、ちょっと無理があるような気がする。それよりも色々な意味で、ゾッとする真相の方が印象的。★★★★☆
「百万に一つの偶然(ロイ・ヴィカーズ)」→アーサー・クロウチと言う男が行方不明になったが、迷宮課が彼の所在を突き止めた。彼は殺されていたのだ。…「迷宮課」シリーズの1作目。彼の所在を突き止める手掛かりがかなり面白い。だが、それがタイトル通り、偶然なのが個人的には好きじゃない。★★★☆☆
「少年の意志(Q・パトリック)」→美しいが、たちの悪い少年につきまとわれた男の話。前半が「ベニスに死す」的な展開で、かなり不愉快。だが、ラストで大逆転があるので、読後不快感はない。★★★☆☆
「51番目の密室(ロバート・アーサー)」→前例のない密室トリックを考えたと豪語していたミステリー作家が、密室で殺された。…密室トリックは人の思い込みを逆手に取ったもの。悪くはないが、個人的にはそれほど面白いとは思わなかった。それより、最後の方で探偵と犯人がとった行動がぶっ飛び過ぎ。普通の探偵小説では絶対にあり得ないもの。あまりにもぶっ飛んでいるので、ここだけやたらと印象的だった。★★★☆☆
「燈台(E・A・ポー&R・ブロック)」→ある灯台へ着任した男の話。ポーの未完成の作品を、ブロックが引き継いで完成させたらしい。その為、後半の展開があまりポーっぽくない。やっぱりと言うか、当然と言うか、ブロック的なんだよな。しかも、何気クトゥルフ的だし。悪くはないけど、色々と微妙。★★★☆☆
「一滴の血(コーネル・ウールリッチ)」→新しい恋人が出来た男が、復縁を迫ってきた女を殺す話。男は徹底的に証拠隠滅を行うが、一つだけミスを犯す。…それが何か…って言うのが、本作の読みどころ。実はかなり有名な話で、私も途中で思いだした。★★★☆☆
「アスコット・タイ事件(ロバート・L・フィッシュ)」→「シャーロック・ホームズ」のパロディ。謎めいた電報の暗号を解くシュロック・ホームズの話。出来はまぁまぁ。★★☆☆☆
「選ばれた者(リース・デイヴィス)」→大家から退去命令を出され、男は住み慣れたコテージから出て行かなければならないようになった。男は何か良い方法がないかと考えるが。…一種の犯罪小説だろう。最後で分かる愛情の裏返し的な内容は悪くない。★★★☆☆
「長方形の部屋(エドワード・D・ホック)」→学生寮で殺人が起こった。死体の側に男がいたので、犯人はその男以外考えられなかった。だが何故、男は20時間も死体の側にいたのか。…謎なのは、殺人方法とか、トリックとかでなく、その動機。まさに前代未聞の動機で、ミステリーを山のように読んでいる私でさえ初めて。ここまでくると、これをミステリーと呼んで良いのか疑問。まぁ、面白いので問題ないと思うけど。★★★★☆
「ジェミニイ・クリケット事件(クリスチアナ・ブランド)」→ビルの4Fで人が殺された。窓にこそ小さい穴が開いていたものの、内側から閂が下ろされ、完全に密室だった。犯人はどこへ逃げたのか。…次々と仮説が出てきて、それを次々と否定していくと言う内容が面白い。最終的に辿り着く結論は、今となってはさほど珍しいものではない。まぁ、当時としては珍しかったかもしれないが。はっきり言って、個人的にあまり良いとは思わない。★★★☆☆

今日のドラマ
精霊の守り人 #2「王子に宿りしもの」…#1と比べたら、少々落ちるかな。

今日の映画
カイト/KITE(南アフリカ/メキシコ/2014年)
経済が崩壊した近未来。少女サワは両親を殺した組織のボスを追い詰めていく。梅津泰臣の18禁アニメを実写化したバイオレンスアクション。はっきり言って、あまり出来が良くない。最初の方で飽きてしまう。ほとんどホラー映画なバイオレンス描写が精々見れるくらいか。ただ、凄すぎて笑ってしまうレベルだが。しかも、それを目当てに見ても数が少ないので、非常に物足りない。★★☆☆☆

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