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真夜中のティータイム

気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。

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入院中に読んだ小説の感想などを。

悪意の森(上/下)(タナ・フレンチ/集英社文庫)」
ある夏の日、森の中に入った三人の少年少女が行方不明になった。ただ、その内の一人の少年だけが、記憶をなくしていたが生還出来た。それから20年後、この森で少女の遺体が発見された。嘗てこの森から生還した少年は現在では殺人課の刑事になっており、この事件を担当する事になるが。

アイリッシュミステリー。アイルランドのミステリーは「フィデルマ」シリーズなどを見て分かるように、良質な作品が多い。本作もその良質な作品の一つで、相当に面白い。特に手探りで事件の捜査を進めていく過程は、ヒラリー・ウォーの「失踪当時の服装は」に通じる面白さがある。また、森の持つ不気味さも実に上手く描写されている。それにしても、真犯人の悪魔的なキャラは凄いな。今まで数多くのミステリーを読んできたが、ここまで悪魔的なキャラは初めてだ。その為、ラストの真犯人との対決シーンの緊張感は半端ない。

但し、欠点もいくつかあって、その一つ目はとにかく長い事。必要以上の心理描写や過剰な情景描写を抑えれば、今の2/3~1/2くらいにはなる筈だ。二つ目。最後の最後のオチ(章で言えば最後から二つ目。最終章は後日談)はさすがにやり過ぎ。確かにこれがあった為、犯人の悪魔性が格段に上がるが、とんでもなく不愉快になる。この二つさえなければ、文句なく★×5だったんだがな。★★★★☆

伏 贋作・里見八犬伝(桜庭一樹/文春文庫)」
タイトルから分かるように、桜庭一樹版「里見八犬伝」。但し、ストーリーはオリジナルである曲亭馬琴の「南総里見八犬伝」とはまったく違う。登場人物も同じ名前の人物が出てくるが、これまたまったくの別人。一例を上げれば…。浜路→オリジナルでは信乃の許嫁であるが、本作ではおてんばの女猟師。道節→オリジナルでは八犬士の一人であるが、本作では大酒飲みの賞金稼ぎ。伏姫→オリジナルでは清純な乙女であるが、本作では男勝りの少々きつめの性格の姫君。船虫→オリジナルでは前半の悪役であるが、本作では気の良い飯屋の女将さん。ちょっと書いただけでも、これだけ違う。大体、八犬士からして、本作では人に害をなす魔物だもんな(完全な悪と言う訳ではないが)。更に、オリジナルの作者である曲亭馬琴も出てくる始末。オリジナルを知っている者は相当面食らうだろう。逆に言えば、そう言う部分が面白いのだが。さて肝心の本作の出来だが、はっきり言って微妙。確かに前半は面白い。だが話が進むにつれ、段々と女々しく、そして尻つぼみになってくる。やっぱ、個人的にはオリジナル版の方が好きだな。★★★☆☆

ライオンと魔女(C・S・ルイス/岩波書店)」
「ナルニア国ものがたり」シリーズの1作目。三大ファンタジー(本作と「ゲド戦記」と「指輪物語」)の一つと数えられるだけあって、面白いし、よく出来ている。異世界の情景描写も、そのイマジネーションがホント凄い。だが読んでいて、どうも子供向けの印象が強く感じる(まぁ、実際そうなんだが)。そんな訳で、個人的には少々物足りなかった。残りのシリーズは別に読まなくてイイかな。★★★☆☆

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