真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「ロウフィールド館の惨劇(ルース・レンデル/角川書店)」、読了。
カヴァデイル一家を惨殺したのは、召使いのユーニス・パーチマンだった。動機は金の為でもなく、身の安全の為でもなく、文盲の為だった。ユーニスは家事万端をこなす有能な召使いであったが、その心の中で脅えていた。自分が文盲である事を知られる事を。だが、一家の善意が彼女の歯車を狂わせ始めた。
ルース・レンデルの最高傑作だと言われるだけあって、かなり出来が良い。特にカヴァデイル一家のお節介な善意と、ユーニスの文盲(読み書きが出来ない)である脅えが交わったとき、ユーニスが次第に狂気に駆られていく。その過程の心理描写が、同ジャンルの他の作品と比較にならないほど凄い。リアルさや迫力、そしてその緊張感は他の小説ではちょっと味わえないだろう。…と言う訳で、文句がつけられないくらい優れた作品ではあるが、あまり私好みの作品ではなかった。それは、私が暗く救いのない話が嫌いと言うのではない。私が読みたいのはワクワクドキドキするストーリーであって、狂気に駆られていく人間のドラマを読みたいのではない。つまり、本作は確かにサイコサスペンスであるが、ミステリーとしてのサイコサスペンスでなく、人間ドラマとしてのサイコサスペンスなのだ。そんな訳で、凄いとは思ったが、楽しいとは思えなかった。
今日のアニメ
・荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ 6BRIDGE×2「「第144話 暗号解読」+「第145話 全てが突然に」+「第146話 告白」+「第147話 決意」+「第148話 夢の金星生活」+「第149話 婚約?…そして」+「第150話 荒川一発芸予選」」
今日の映画
・ティンカー・ベルと月の石(アメリカ、2009年)
シリーズ2作目。相変わらず子供向きの内容だし、ディズニー的な妖精の設定も気に入らないし、変に教訓臭いし、どうも好きになれない。ただ、今回は冒険ものの要素が加味されているので、前作よりは面白い。特に後半の難破船内の探索のシーンは結構好み。どうのこうの言いながら、楽しんで観たかな(あくまでも前作よりは、だが)。
久しぶりにXbox360をネットに繋げてみることにした。ホント久しぶりなので、やたらとアップデートしなくてはならなかった。もう、それだけでやたらと時間がかかったよ。その後、何とかログインに成功。そして、気になっていた「魔人と失われた王国」と「LIMBO」の体験版をダウンロードした。そんな訳で、その体験版の感想だが、まず「魔人と失われた王国」。これ、はっきり言って操作が複雑過ぎる。慣れれば問題ないかもしれないが、ゲーム自体に続ける魅力がない。個人的にはパスだな。もうひとつの「LIMBO」。これは良い。操作もAボタンとBボタンと方向キーだけと、非常にシンプルだ。しかも結構頭を使わなくてはいけないし、謎解きの奥も深い。しかし私が何よりも気に入ったのが、その世界観と雰囲気。影絵のような白黒のグラフィック、BGMがほとんどなく、風の音や水の音と言ったSEがあるだけ。その不気味さ、不安感、そして何とも言えない怖さが最高。価格も安いし、これは買いかも。私もこの体験版でハマったので、購入の可能性大だ。
今日のアニメ
・ぬらりひょんの孫 #18「夏実と千羽様」
・屍鬼 #10「第悼話」
・それでも町は廻っている #1「至福の店ビフォアアフター」…これは面白い。今期のアニメの中で一番かも。何よりも、キャラが踊りまくるOPでハートを鷲掴みにされたよ。しかも曲が懐かしい「DOWN TOWN」。確か、「オレたちひょうきん族」のED曲だったんだよね。あと、本編では紅茶ネタの「リトルグレイ」と「ノータリン」に大爆笑だった。もう文句なく、視聴継続。
今日の映画
・女間者秘聞 赤穂浪士(東映/1953年)
タイトルから「間者の視線から見た忠臣蔵かな?」っと思ったら、忠臣蔵の後半部分を普通に映画化しているだけだった。「あれ?」っと思って、視聴後に調べたら、「赤穂城」3部作の最終作らしいと言う事が分かった。紛らわしいタイトルだな。…って言うか、あまり視聴した意味が無いような(1部と2部を観てないので)。ただ映画の出来自体は忠臣蔵ものの中では上の部類だと思う。
・残酷の人獣(アメリカ/1959年)
島に流れ着いた水夫は、そこで科学者が獣を人間に変える実験をしている事を知る。…っと言う、まんま「獣人島(モロー博士の島)」。だがメイクは良く出来ているし、雰囲気も悪くない。ただ、あまりにもテンポがスローすぎるし、盛り上がりに欠ける。「今となっては」って感じの作品だ。ところで聞くところによると、本作は「ブラッド・アイランド」シリーズの第1作目になるらしい。まぁ、とてもじゃないが残りのシリーズを観る気になれないけど。
今日のアニメ
・とある魔術の禁書目録Ⅱ #5「蓮の杖(ロータスワンド)」
・おとめ妖怪 ざくろ #3「かこ、哀々と」
・ケロロ軍曹 #339「ケロロ 恐怖の赤信号 であります」…まさか最後に「逮捕しちゃうぞ」ネタが出るとは。しかも、平松晶子が絡んでいるし。
・ARIA The ORIGINATION #3「その こめられた想いは…」&#4「その 明日を目指すものたちは…」(再見)
今日のドラマ
・ヒッチコック劇場(第2シーズン)
#42「かげの男」
映画女優がインタビューを受けているときに、死んだと思っていた夫の姿を見かける。…女優の末路がちょっと可哀そうな気がする。夫が夫だし。でも、ラストのオチは良い。
今日の映画
・パンドラム(アメリカ/ドイツ/2009年)
宇宙船を舞台にしているが、そこで展開するのは謎と恐怖。「宇宙の孤児」と「いばらの王」を足して2で割ったと言えば、分かる人には分かると思う。闇に閉ざされた巨大な宇宙船内部、遭遇する死体の山、闇で蠢く異形の怪物たちなどなど、これで面白くならない訳がない。ところが面白くならないんだな、これが。理由はいくつかあると思うが、その一つは演出にメリハリがないためだろう。全体的に淡々としているし、見せ場になっても盛り上がりに欠ける。それ以外でも、ストーリーが単純すぎる、肝心の過去の出来事にあまり面白みがない(つーか、ほぼ脱力寸前)、怪物の正体やラストのオチが途中で察しが付く(○○の正体だけは意外だったけど)、アクションシーンでカメラがブレ捲って何をやっているのか分からないなどなど、どうもパッとしない。せっかく面白い題材なのに、あまり生かしきれてない感じだ。一歩間違えれば、大傑作になったと思われるだけで非常に残念だ。…っとは言うものの、ラストはSFの醍醐味を味あわせてくれるし、決して悪い出来ではないのだが。
「女神の誓い(マーセデス・ラッキー/創元推理文庫)」、読了。
山賊に皆殺しされた遊牧民「鷹の子ら」。その中で唯一、女戦士のタルマが生き残った。彼女は復讐を女神に誓い、旅に出る。そして、その途中で一人の女と出会った。女は魔法使いのケスリー。ケスリーはタルマの復讐に手を貸すと言う。二人は姉妹の契りを結び、旅を続ける。
ヒロイックファンタジー版「ダーティペア」って感じの作品。漆黒の髪で少年のようにほっそりとしたタルマ、人形のように愛らしいケスリー。この二人のキャラも、何気に「ダーティペア」っぽい。まぁよくある組み合わせと言えば、そうなのかもしれないな。さてストーリーの方はと言うと、一見長編のようだが、実は細かいエピソードを並べた、つまり連作短編のような作り。その分、読みやすいが、一つ一つのエピソードがボリューム不足だし、それほど凝っていない。そのため、読んでいて、少々物足りない。悪い出来ではないが、傑出した部分がないのもイタイ。可でも不可でもない…って感じかな。全体的に非常に印象の薄い作品だった。一応、続編もあるようだが、別に読まなくてイイや。
今日のアニメ
・Pandora Hearts #18「とある従者の死について」(再見)
今日のドラマ
・ヒッチコック劇場(第2シーズン)
#39「演技」
元俳優の息子が殺人を犯した。父親が弁護することになったが。…父親の弁護は一番の見どころだが、それほど面白いものではない。
#40「恐るべき戯れ」
酒癖の悪い医学生を懲らしめようと、ルームメイトが解剖用の死体を彼のベットに寝かせておくと。…罠にハマる方にも同情の余地ないが、悪質な悪戯をするルームメイトもどうかと思う。何れにせよ、あまり面白い話じゃない。
#41「戦慄の金庫」
修理工場で働く青年が、刑務所で知り合った仲間と給料強奪事件を起こす。計画は成功するが。…一種の犯罪ドラマだが、後半、放射能の恐怖を描いている辺りが面白い。出来はまぁまぁか。
「闇から生まれた女(下)(F・ポール・ウィルソン/扶桑社)」、読了。
幽霊の正体見たり、枯れ尾花。真相が分かってしまえば、怖くも何ともない。この小説はまさにこれだ。しかも比較的早い段階で謎の正体が分かるので、上巻ほどドキドキしない。それでもラスト近くまで、ストーリーを二転三転させるのだから、大したものだ。ただ、上巻とは明らかに話の性質が変わるので、賛否両論があるんじゃないかな。上巻では、多重人格を題材にしたサイコスリラーだったが、下巻ではそれが影を潜め、単なるホラーものになってしまった。私はF・ポール・ウィルソンだから、こうなるんじゃないかな…っと予想していたが、ダメな人はダメでしょ。個人的にも、上巻のタッチの方が面白いと思うので、この路線で最後まで行って欲しかった。
今日のアニメ
・そらのおとしもの f ≪フォルテ≫ #5「天界から来た超兄弟(トモダチ))」
今日の映画
・くもりときどきミートボール(アメリカ/2009年)
ちょっとした事故が段々と悪化していき、やがて世界規模の大災害になる。その原因を作った青年が、何とか事態を収拾しようと大活躍する。…っと、内容はよくある話。まぁ、この手の話にハズレは少なく、安心して観る事が出来る。この作品もアタリの方で、ドタバタし過ぎているのが良くないが、大災害のスペクタクルシーンや、主人公の活躍などが実に楽しい。最後の父親との対話が結構感動的だし、ヒロインとのロマンスもなかなか良い。つまり、結構出来の良い作品だと思う。ただ問題は、空から食べ物が降ってくると言う描写。これって、観ていてあまり気持ちの良いものじゃないし、食べ物を粗末にしているみたいで結構不愉快。これさえなければ、かなり楽しい作品だったと思うのだが(なかったら、この作品の存在意味がないが(笑))。
文化の日。
録画していた「MJ アニソンSPECIAL3 完全版」をようやく観る事が出来た。今回はボリューム満点だな。非常に満足だった。…にしても、みのりんに突っ込みを入れる杉田智和(ナレーション)に笑った。
「闇よ、つどえ!(フリッツ・ライバー/ハヤカワSF文庫)」、読了。
巨神紀139年(西暦2305年)。人類は暗黒時代に入っていた。科学を宗教とする聖職位階制政権が世界を支配し、人々を苦しめていた。この事態に修練士のジャールズは怒りを感じていた。作業割り当ての席で、一人の女性が拒否した事を切欠に、ジャールズは立ちあがった。
科学と魔術が交差する…っと言う、まさに「とある魔術の禁書目録」のような世界観。ただあれより、こちらはもっと混沌としている。悪魔がパソコンに向かい、科学が宗教となる。その独創的な世界観はちょっと前例がなく、新鮮でオリジナリティがある。…っと世界観や設定は面白いのだが、肝心の話がどうもイマイチ。魔人vs巨神、つまり悪魔vs神と言う壮大な物語自体は悪くないのだが、単に戦うだけ…って言うのがどうにも。非常に薄っぺらだし、ちっとも楽しくない。結構期待してたのだが、中の下って言うところかな。「魔の都の二剣士」もあまり面白くなかったし、個人的にこの作家とはあまり波長が合わないようだ。
今日のアニメ
・スーパーロボット大戦OG -ジ・インスペクター- #2「未知なる声」…超機人って、「ダンクーガ」もどきなのだろうか?。ところで「ラトゥーニの出番、まだぁ?」っと思っていたら、予告編に出てきた。来週からの登場か。
今日の映画
・ヒンデンブルグ(アメリカ/1975年)
1937年5月6日に起こったヒンデンブルグ爆破炎上事件を、テロと言う解釈で映画化した作品。公開当時はパニック映画の一本として公開されたが、パニック映画とは少し違うと思う。どちらかと言うと、サスペンス映画か。ただ、ロバート・ワイズにしてはストーリーが面白さに欠けるし、サスペンスも薄いので、少々物足りない。クライマックスの炎上シーンは公開当時手抜きだと言われたが、ニュースフィルム(つまり本物)と上手く組み合わされていて、今観てもかなり迫力がある。
・幻の惑星(アメリカ/1961年)
明らかに「ガリバー旅行記」を下敷きにした作品。ただ、冒頭はそれなりに面白いが、小人の惑星に着いてからが、どうにも面白くない。これっと言ったストーリーもなく、単にダラダラと展開するだけ。科学考証もかなりいい加減で、特に主人公が小人になる辺りは納得がいかない。重力と大気の成分だけで、小人になるかぁ?。もうひとつ、出てくる敵対宇宙人のデザインが酷過ぎる。どう見ても子供が描いた様なデザインで、こんなのが出てきても失笑するだけで、緊張感の欠片もない。綺麗どころが二人出てくるのが唯一の救いだが(清純で神秘的なゼータが、特に良い)、それ以外はC級SFも良いところの出来だった。