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真夜中のティータイム

気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。

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神様のパズル(機本伸司/ハルキ文庫)」、読了。
落ちこぼれ大学生の僕に、担当教授からひとつの提案があった。それは天才的頭脳を持ちながら、不登校の穂瑞沙羅華をゼミに参加させよ…っと言うものだった。一応、彼女に会うが、結果はダメ。諦めかけた僕だったが、ふっと学内で聞いたある話を彼女にぶつけてみた。その内容は「宇宙は作ることができるのか?」っと言うもの。このことを聞いた彼女は、なんとゼミに出席してきた。

本書の最後に書かれている「量子論を下敷きに宇宙を作るハードSFなのに、話は学園青春小説。ヒロインは十六歳の美少女なのに、天才物理学者。テーマは思いっきり壮大なのに、実際やっていることはめちゃくちゃしょぼい。巨大な粒子加速器を擁する実験施設が舞台なのに、田植えや稲刈りに追われる。登場人物がひたすら議論ばっかりしているのに、やたらめったら面白い」と言う解説文が、この小説を如実に表現している。それ以上でもそれ以下でもない、まさにこの通りの作品だ。ただ解説では「ゼミの形を取ることで、そこで交わされている理論が分かりやすくなっている」っと書かれているが、これには少し意義ありで、内容自体は結構難しい。少なくともハードSFを何冊か読んでいるか、物理の知識がある程度ないと、理解できないんじゃないかな。そんな訳で、そう言うものに免疫ない人は読まないほうが良いかもしれない。あと、気になったのが、話が進むに連れ、その内容がひたすら暗くなっていくこと。もっと明るい小説だと思っていたので、これには少々戸惑った。実はこの暗さと言うのは、この作品自体のテーマに結びつく。最後まで読むと分かるが、小説のテーマは「宇宙創成の謎」でなく、「ものの考え方」なのだ。本題である宇宙誕生の謎をある程度解説してはいるが、途中から「ものの考え方」と言うテーマに摩り替えている。確かに作者が言いたいことは分かる(ものの多面的な捉え方)。でも、私には単に「逃げ」にしか見えなくて、非常に残念だった。ここはやはりハッタリでも超理論でも良いので、しっかり書いてほしかった。それがSFのセンス・オブ・ワンダーになるのだから。全体的にアイデアは良いが、少々物足りない…って言うのが私の正直な感想だ。

今日のアニメ
鉄のラインバレル #18「メメント・モリ」
咲-Saki- #19「友達」…団体戦終了。咲の見事な勝ちっぷりで、なかなか楽しかった。しかも遺恨を残さないで清々しく終るところが、如何にもこのアニメらしい。

今日の映画
神様のパズル(東映/2008年)
原作を読んだら、今度は映画だろう…って事で、さっそく鑑賞。基本的なストーリーは同じだが、細かい部分を色々と変えている。一番の変更は主人公の設定の変更だろう。原作は卒業が危ないオチこぼれ大学生だったが、映画のほうはフリーターでロッカーの無学な人間に変わっている。とにかく性格が180度違うので、作品の印象もかなり違うものになっている。原作は徹底的に話が暗くなり、「ものの捉え方」と言うテーマにたどり着く。一方、映画のほうは主人公の性格の影響で、原作ほど暗くもシリアスにもないらない。どちらかと言うと、爽快なエンターティメントになっている。もうひとつ、主人公を物理とは縁もゆかりもない人間にしているため、物語の中心になる理論を原作以上に分かりやすく解説している。…なので、原作以上に一般向けではないだろうか(それでも、物理が苦手ない人は頭が?状態になるかもしれない)。そして、後半の映画ならではのサスペンスシーンがなかなか良く出来ている。つまり、単純に両作を比べれば、映画のほうが出来が良いと言うことになる。私もどちらかと言えば、映画のほうが好きかな。ただ映画のほうは宇宙創成の解説だけで、作品の核とも言うべき、宇宙創造の理論をばっさりカットしている。なんとも残念だが、一般観客に難易度の高い理屈を延々と述べたって退屈するだろうから、まぁ仕方ないんだけどね。つまり、これがハードSF小説の映画化の限界だろうな。

・ダンジョン&ドラゴン2(アメリカ/2005年)
「D&D」の世界観を映像化したファンタジー映画の第2弾。はっきり言って、前作がイマイチだったのでまったく期待してなかったが、今回はなかなか楽しい映画に仕上がっていた。クエストを受ける→パーティを組む→ダンジョンに入る→モンスターと戦う…っと言った流れがRPGそのもので、実に楽しい。パーティのメンバー(主人公(ファイター?)(♂)、バーバリアン(♀)、メイジ(♀)、プリースト(♂)、シーフ(♂)(注:メイジがエルフで、それ以外は人間))がすべて個性的だし、それぞれに見せ場があるのも良い。ストーリー展開も数分毎に何らかの見せ場があり、飽きない作りになっている。VFXは中の下程度だが、悪くはない。決してA級の映画とは言えないが、B級ファンタジーとしてはかなり良い出来だし、何よりもTRPGの世界を見事に表現してるのではないかな。ところで、プリーストが意外に早い段階で死んだので、「このパーティ、回復系のキャラがいなくなって大変だな」っとアホな事を思ってしまった(笑)>私。
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