真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「矢の家(A・E・W・メースン/創元推理文庫)」、読了。
ハーロウ夫人が死んだ。そして、彼女の遺産は養女のベティへと送られることになった。これに納得がいかないハーロウ夫人の義弟のワベルスキーは、ベティを恐喝し、さらにベティが夫人を毒殺したと警察に告発する。孤立無援に追い込まれたベティは、顧問弁護士のジムに救いを求める。一方、パリ警視庁のアノー探偵も現地に向っていた。
本作は推理小説であるが、不可能犯罪が起こる訳でもないし、アリバイ崩しがある訳でもない。あるのは、単に誰が犯人か…と言う謎だけ。…なのだが、これが実に面白い。構成自体は非常にシンプルで、登場人物の心理描写から犯人を割り出していくと言うもの。この構成の為、かなり読み応えがあった。ところでその犯人だが、私はかなり早い時期に誰だか分かった。…と言うのも、どう考えても、その人物以外、犯人らしき人物がいないから。これは私が凄いのではなく、少し感の良い人なら誰でも気がつく筈。その程度のレベルの謎だ。だから、この作品の出来が悪いと言うのではなく、あくまでも探偵と犯人の心理戦がメインの作品…っと言うことに過ぎない。そう言う意味でも、本作は推理小説と言うよりは、サスペンス小説と言うべきかもしれない。そんな訳でミステリーマニアには物足りないかもしれないが、本読みには実に楽しい作品と言って良い。…にしても、犯人が正体を現したときの豹変ぶりは凄過ぎ。この辺りは一読の価値がある。
今日のアニメ
・夏色キセキ #11「当たって砕けろ!東京シンデレラツアー」…なるほど、そう来たか。
・白鯨伝説 #11「さよなら、レディウィスカー…」…もう、この辺りは観てないな。
今日の映画
・愛と誠 完結篇(松竹/1976年)
シリーズ3作目にして完結編。今回の誠役は加納竜。今までの中で、彼が一番誠役に合っているようだ。また、内容も今回が一番面白い。ただ、不良アクションとして始まりながら、汚職、政財界の陰謀、ヤクザの暗躍と無駄に話のスケールがでかくになって行くのには笑ってしまった。…にしても、ラストはやはり、ああなるのか。まぁ、あれ以外、決着の付け方がないとは思うけど。