真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「妖女サイベルの呼び声」、読了。
間違いなくファンタジーではあるが、ファンタジーとしての魅力のない作品だった。そこにあるのは、ただ愛と憎しみの物語だけであり、魔術や謎や壮大な冒険など、ファンタジーとしての面白さは一切ない。つまり歴史小説であっても、時代小説であってもまったく構わないのだ。だが誤解して欲しくないのは、だからこの小説の出来が悪いと言うのではない。小説自体はかなり上質な出来で、間違いなく名作だと思う。サイベルと中心とした愛と憎しみのドラマはかなり出来が良いし、何よりもその世界を描いた描写力はかなりのものだ。雪深い森の描写や、詳しい外見を説明することなく(描写されているのは髪と眼の色だけ)、仕草や言葉でサイベルの美しさを表現した文筆力は超一流と言って良いだろう。つまり、私自身もかなり気に入った作品のひとつだと言って良い。問題は単にファンタジーとしての魅力がないだけのことなのだ。…とは言え、ラストシーンだけは正にファンタジーであり、同時に名ラストと言って良いから、なんとも複雑な気分だ(笑)。
今日のアニメ
・ひだまりスケッチ #4「5月18日 歌うショートケーキ」(再見)…チクリン♪
・ケロロ軍曹 #210「夏美 困惑の放課後 であります」+「秋 子供の日 であります」
今日の映画
・NEXT ネクスト(アメリカ/2007年)
アイデアは面白いが、それをイマイチ生かされなかった感じがする。全体的に、中途半端な超人ものって印象だし。結局、製作者がアクションものにしたかったのか、ロマンスものにしたかったのかもはっきりしない。確かにカーチェイスや銃撃戦などは迫力がある。でも、なんか安っぽいB級アクションにしか見えないのだ。(続きは[本館]で)
・紀元前1万年(アメリカ/ニュージーランド/2008年)
「紀元前~」っと言うタイトルがついている割に、科学考証はデタラメ。奪略者追跡、捕虜奪還への旅、未知の生物の襲撃、異文明の地と言う話の流れからも、ノリは完全に冒険ファンタジーだ。「ロード・オブ・ザ・リング」の古代世界版と思えば間違いない。つまり時代考証や科学考証なんて知らないよ…って感じのエンターティメントなのだ。まぁローランド・エメリッヒが監督していた時点で分かっていたことだけど(笑)。(続きは[本館]で)
・名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)(東宝/2007年)
明らかに沖縄県与那国島の沖合にある「海底神殿」が、アイデアの元になっている。そう言うロマン溢れる場所での宝探しが今回のメインなので、映画自体はなかなか楽しい内容になっている。つまり、今回は殺人劇の推理は二の次と言うわけだ。ここまでシリーズが進むと、そう言う回も有りで、判断としては悪くないだろう。実際、近年の出来の悪いコナンシリーズの中では楽しい方だと思う。だが中身に大いに問題ありで、盛り上がるべき部分がまったく盛り上がらないのはどうしたものか。ラスト近くの蘭のアクションシーンはもっと楽しくなって良い筈だ。また肝心の暗号もかなり幼稚なもので、これが300年もの間解けなかったというのも納得いかない。つまり外見だけで、中はスカスカの出来なのだ。そんな訳で、一昨年、私は劇場でのコナンの鑑賞を中止する(TVシリーズも同様)と宣言したが、この判断が正解だったことを確信した次第だ。