真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
この前まで寒い寒いと思っていたら、今日、桜が満開になっているのを見つけて、ちょっと驚いた。もう、そんな季節なんだね。
「ラヴクラフト全集(2)(H・P・ラヴクラフト/創元推理文庫)」、再度読了。
本書には、以下の3篇が収録されている。
「クトゥルフの呼び声」(1925年)
伯父の遺品から、薄肉浮き彫りと手記が出てきた。手記によれば、この浮き彫りはある青年が夢で見た風景を元に作られたもので、その青年がそこに記されている象形文字を解読して欲しいと持ち込んだものらしい。だが協力者の男は高熱を出し、伯父も不可解な死を遂げてしまう。ぼくは伯父がしようとしていた調査を再開するが。…この浮き彫りに関わった人間だけでなく、多くの人間が不気味な夢を見、発狂する。…っと言った気味の悪い展開が続く。この辺りの悪夢のようなイメージは、さすがラヴクラフト。だが圧巻なのは、「何故、そう言う事が起こったのか?」っと言う真相が語られる第3節。クトゥルフの古代都市、現れる異形の神の描写が素晴らしい。傑作。★★★★☆
「エーリッヒ・ツァンの音楽」(1921年)
今となっては地図で探すことも出来ないオーゼイユ街。わたしはこの町で下宿していた。その下宿の屋根裏部屋にエーリッヒ・ツァンと言う老人が住んでいた。わたしは老人が夜な夜な奏でる、この世ならぬ調べに魅了されるが。…坂の町の屋根裏部屋で、音楽を奏でる老人。実に絵になる作品だ。ラストの不気味さもなかなかのもの。★★★☆☆
「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」(1927年)
ロード・アイランドの精神病院から、チャールズ・ウォードと言う精神病の患者が脱走する。彼の主治医によれば、彼が狂気に走った原因は、祖父であるジョゼフ・カーウィンの研究に要因があるようなのだが。…本作は「怪談呪いの霊魂」、そして「ヘルハザード・禁断の黙示録」と二度にわたって映画化されている。つまり、ラヴクラフトの作品の中ではかなり有名な作品と言って良い。実際、本作をベストとする人も多い。だが、個人的には微妙。何か、小説と言うよりは何かの解説を読んでいる感じだし、何よりも内容の割に長すぎる。確かに膨大な知識量は凄いと思うし、ゴシック的な雰囲気も悪くない。だが、若干好みから外れるかな。もっとも後半、地下室の中で異形の生き物を目撃する辺りの描写はかなり良い。結構、怖いし。★★★☆☆
今日のアニメ
・IS<インフィニット・ストラトス> #9「海に着いたら十一時!(オーシャンズ・イレブン)」…サービスの回。特にシャルル無双が目立ったAパートが最高。「あ~ん、もう、やっちゃえ」って、おい、おい(笑)。…しても、ラウラ、最初の頃とキャラがまったく違うじゃん(笑)。
・夢喰いメリー #9「夢乱れて」
・フラクタル #4「出発」…あれ?、フリュネって、こんな嫌な子だったけ?
今日の映画
・パトリック(オーストラリア/1978年)
本作の監督であるリチャード・フランクリンは、元々監督本数が少ないうえに、傑作と言える作品が僅かに「サイコ2」と「リンク」だけと実に寂しい。だが、その2作品に関しては、この上がないほど面白い。つまり、出来不出来が極端な監督なのだ。そんな訳で、この監督作で未見だった本作を複雑な気持ちで観たが、結果は残念ながら不出来の方だった。はっきり言って、ちっとも面白くない。展開はダラダラだし、ストーリーも別に凝っている訳でなく、実に退屈な作品だった。ラストのオチもイマイチ。
・甲賀屋敷(大映/1949年)
完全な娯楽映画なのだが、衣笠貞之助の演出が上手く、なかなか楽しめる作品になっている。さすがは、「地獄門」の衣笠貞之助だ。また、迷宮のような屋敷の美術も良い。