真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「トムは真夜中の庭で(フィリパ・ピアス/岩波書店)」、読了。
弟が麻疹にかかったため、うつらないようにトムは知り合いの家に預けられることになった。その夜、その家の古時計が13回打ち、昼間にはなかった庭園が現れた。そこで、トムはハティと言う少女と出会う。
別にネタばれではないと思うので書くが、本作は時間テーマSF。もっとも理屈中心の作品でなく、ロバート・F・ヤングか、ジャック・フィニイか…って感じのロマンチックな作品に仕上がっている。ラストの説明がイマイチはっきりせず、トムが○○に行ったのか、○の世界に行ったのか、判断に苦しむが、要は○○○○の○の力で○○に行ったという事で良いだろう。何れにせよ、全体的に淡々としていて、盛り上がりに欠けるきらいはあるものの、非常に上質な作品と言って良いだろう。特にラストの○○○○との会話はそれまでの謎が解けると同時に、非常に清々しい気持ちにさせてくれる。
今日のアニメ
・オオカミさんと七人の仲間たち #7「おおかみさん地蔵さんとダブルデートする」…ひらひらした服のおおかみさんが可愛い。いや、それ以上に記憶をなくしたおおかみさんが可愛すぎ☆。…にしても、笠地蔵(かな?)の話は単なるオマケ?(笑)。
・HELLSINGⅢ(OVA/47分)
今日の映画
・レスラー(アメリカ/2008年)
ヒールと試合の段取りを打ち合わせしたり、試合中に自分で少し体を傷つけて流血したり…っとプロレスの裏の描写が面白く観ていたが、映画はプロレスそのものより、一人の人間に生き様を描いた人間ドラマだった。老いながらも、生活のためにスーパーでバイトしたり、悪いと分かっていてもステロイドを常用したり、娘とは疎遠になったり…っと、不器用でダメ人間の話。だからこそ、哀愁たっぷりで切ない人間ドラマが生きてくる。「俺にとって痛いのは、外の現実の方だ」って言うセリフはまさにそうだな。似たような題材を用いながら、清々しい「ロッキー・ザ・ファイナル」とは正反対の作品になっているのが面白い。しかし、「死にゆく者への祈り」もそうだったが、ミッキー・ロークってこう言う物悲しい役をさせると、実に上手い。また、確かに技には切れがないが、外見はまさにレスラーそのものの体作りや、彼の熱演は評価に値する。
・二十四の瞳(松竹/1954年)
名作と言う名に相応しい名作。久しぶりに再見したが、やはり感動的だった。この作品、学園青春ものの元祖と言って良いと思う。だが、その後作られた学園青春ものと明らかに違うのは、卒業後の生徒たちの行く末を克明に描いている点だろう。大半の生徒は不幸な人生を歩む。ある者は戦争により死ぬ。つまり普通の青春ものに比べて、相当にハードな展開なのだ。特に前半が幸せな幼い日の学園生活だけに、その辛さには心が痛む。しかし、だからこそ、ラストの再会のシーンが感動的なのだ。あと、全編で流れる童謡の数々が実に良い。童謡って、こんなに良いものだったのかと、再認識した。何れにせよ、これほどの名作は二度と出来ないだろう。