真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「ABC殺人事件(アガサ・クリスティー/ハヤカワ文庫)」、読了。
ポアロのもとに挑戦状とも言うべき、予告状が届けられる。「今月の21日はアンドーヴァーに注意することだ」。予告通り、アンドーヴァーでAの頭文字の老女が殺された。現場に残るABC鉄道案内。さらに予告状が届き、Bの地でBの頭文字の娘が、Cの地でCの頭文字の紳士が殺されていく。
クリスティーにしては珍しく、現代的な舞台で無差別殺人を繰り返すサイコキラーもの。ただ、犯人に立ち向かうのが昔乍らの探偵ポワロなので、少々浮いてる感じがする。そんなこんなで、何かクリスティーっぽくない作品だなぁ…っと、途中までは思っていた。実はこれがミスディレクションで、「サイコキラーと見せかけて、実は」っと言うのが本作の展開。この展開が実に面白い。内容は「時々殺人が起こり、後は延々と事情聴取」っと言ういつものパターンなので、本来ならここで退屈になるところだが、本作はこの手法が上手く作用し、サスペンスと不気味さを醸し出している。冒頭から異様な緊張感の連続で、読み始めたら止められない。流石は、クリスティー…っと言ったところだ。(以下、少々ネタばれになるので、気にする人は読まないでください。伏字にしたり、ボカして書いているので、分からないとは思いますが)
それにしても、最後の最後で分かる事の真相は圧巻。真犯人の悪知恵ぶりも、感心するほどのもの。もっとも途中で(第2の殺人辺り)、私はある程度、真相の察しがついた(完全に…ではなかったが)。これは別に自慢している訳でなく、同トリックの別の作品を読んだ事があるからだ(旧「本の映画の迷宮で」で紹介済み)。このトリックに某要素を加えたものが本作の真相になる訳だが(伏字をしないとマジでネタばれになる(笑))。これがホント良く出来ている。つまり、少々探偵小説を読んだくらいでは真相が分かるほど、安っぽいものではないと言う事。やはり、クリスティーの代表作と言われるだけのものはあるよ。
今日のアニメ
・アクセル・ワールド #18「Invitation;挑戦」
・氷菓 #17「クドリャフカの順番」…相変わらず、つまんねぇ真相だ。
・乙女はお姉さまに恋してる #9「まりやの気持ち」(再見)
・クイーン・エメラルダス #1「無限への旅発ち」&#2「不滅の紋章」(OVA)
今日の映画
・血を吸う薔薇(東宝/1974年)
「血を吸う」シリーズの3作目。前作に引き続き、岸田森が吸血鬼役で登場。それにしても、舞台が人里離れた全寮制の女子校だと言うのが良い。「サスペリア」と言い、この設定はホラー映画の黄金のパターンだね。また、全体的に2作目より出来が良くなっていて、なかなか楽しめる作品だ。ただ反面、欠点も多く、例えば、サスペンスより音などで驚かすショックシーンに重点をおいているのが気に入らない。展開がダラダラしていて、全体的に間延び気味なのも欠点。あと、吸血鬼の退治法が杭うちと言うのもちょっと。これだと、太陽の陽を浴びて消滅する退治法ほど、盛り上がらないんだよなぁ。(再見)★★★☆☆
・ワイルド・スピード MEGA MAX(アメリカ/2011年)
元FBI捜査官のブライアンが、リオの裏社会のボスから現金1億ドルを強奪する…と言う犯罪アクション。特にこのシリーズの思い入れもないし、それほど好きなシリーズでないので、前回までのストーリーはほとんど覚えてないが、こんな作品だったけ?。何か、最初の頃とは、かなり違うような気がする。あと、シリーズの出演者が総出演しているらしいので、このシリーズが好きな人間には堪らないかもね。それにしても売りであるカーアクションが凄まじい。特に冒頭の列車強盗にシーンと、クライマックスのリオでの暴走シーンは壮絶。デカイ金庫を引き摺ってのカーアクションなんて、よく考えたものだ。★★★☆☆