真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「煙で描いた肖像画(ビル・S・バリンジャー/創元推理文庫)」、読了。
ダニーは倒産寸前の集金代理店を買い取った。そこで、彼は新聞の古い切り抜きを見つける。切り抜きには初々しい少女の姿が写っていた。彼は彼女を知っていた、十年前に出会っていたのだ。今彼女はどうしているんだろう。ダニーは彼女の消息を追う事にした。
写真の少女に惹かれ、彼女の素性とその人生を探って行く青年と、恵まれない生い立ちのため、形振り構わず成りあがって行く女性、すなわち悪女のパートが交互に描かれていく。青年のパートはミステリー色が濃いが、女性のパートは犯罪ドラマに近い。全体的に見て、女性のパートの比重が高いので、作品としては犯罪ドラマの印象が強い。ただ、この犯罪ドラマが意外性が皆無で、淡々と進む為、思ったほど面白味に欠ける。ところが、ところがである、ラスト近くで突然の大どんでん返し。この大どんでん返しで、話が一気に面白くなった。さすがはビル・S・バリンジャーだ。また、作品全体でのハードボイルドタッチの描写が素晴らしい。特に冒頭の狭く薄暗い部屋での主人公のモノローグや、ラストの眠れぬ夜を過ごすことになった同じく主人公のモノローグ辺りは出色。これは傑作だ。★★★★☆
今日のアニメ
・夜桜四重奏 -ホシノウミ- #2
・ウィザード・バリスターズ~弁魔士セシル #2「ハード・ケース」
今日の映画
・冒険者たち ガンバと7匹のなかま(共同映画全国系列会議/1984年)
TVアニメ「ガンバの冒険」を再編集した劇場アニメ。TVシリーズが好きだったので視聴したが、今観ても十分面白かった。特に後半のハードな展開とサスペンスは一見の価値あり。なにか久しぶりにオリジナルのTVシリーズの方が観たくなったよ。最近、この手のアニメがまったくないし。それにしても、メインキャストの何人もがすでに故人なんだ。時代の流れを感じる。★★★★☆