真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「ホーラ -死都-(篠田節子/文春文庫)」、読了。
十数年の間、不倫の関係を続けてきたバイオリニストの亜紀と建築家の聡史。彼らは二人だけの時間を過ごすため、ギリシャへ旅行した。それでも二人に現実は忍び寄る。決心した二人はケータイをホテルに預け、トルコ沖の小島、パナリア島に向かうが。
帯にゴシックホラーって書いてあるが、これ、ゴシックじゃないよ。もう、何でもかんでも、ゴシックって付けないで欲しい。私みたいなゴシックマニアが、思わず買ってしまうだろうが(笑)。…って事はどうでも良いが、ゴシックの欠片もないのは事実。どちらかと言うと西洋怪談かな。面白いのは、それを日本人が描いているところだ。しかも、出来も内容も悪くない。もっとも作者が描きたかったのは怪談でなく、人間ドラマ(主に愛のドラマ)のようだが。また神の不在をテーマにしている辺り、如何にも日本人っぽい。それにしても暗い話だ。老いの恐怖、現実のしがらみ、家庭の不和などなど、もう、とことん暗い。それも読んでいて、生きるのが嫌になるくらい。…なのだが、読後は意外としこりが残らない。実はラストにちょっとした温かなエピソードを持ってきているのだ。つまり暗い話ではあるが、最後に救われた感じになる。この辺りの乗せ方は上手いなぁ…っと思った。
今日のアニメ
・GOSICK #1「黒い死神は金色の妖精を見つける」…斎藤千和のヴィクトリカも良かったが、今回の悠木碧もなかなか。原作が好きなので、当然視聴継続。
・これはゾンビですか? #1「はい、魔装少女です」…おバカすぎる。しかも、相当にグロいし(絵柄がギャグなので、エグくはないけど)。う~ん、視聴中止でイイや。
今日の映画
・寒い国から帰ったスパイ(アメリカ/1965年)
冷戦下のスパイの非情さを描いた傑作サスペンス。道具としてしか扱われないスパイの悲劇を重厚なタッチでシリアスに描いている。陰謀、裏切り、まさに冷戦下の世界だ。アンハッピーなラストも良い。(再見)