迷宮図書館

図書館で借りてきた「薔薇の名前（上）（ウンベルト エーコ /早川書房）」、読了。
ショーン・コネリーの映画版がイマイチだったので、原作をずっと読まなかった。だがネットで結構評判が良かったので、読んでみることにした。内容はホームズとワトソンのような探偵小説の中世版ではあるが、ミステリーはほぼ付けたしのような印象。メインはあくまでもカトリック論、…っと言うかカトリックの知識。宗教にはあまり興味がないので、私はもっぱら中盤以降の「迷宮図書館」の探索シーンを楽しんだ。一度迷うと二度と脱出できない巨大な迷宮。まるでRPGのダンジョンだよ。それ以外はミステリーと言うよりは純文学に近い感じだが、退屈せずに読めたのは著者の力量か。

今日のアニメ
・アキカン！　＃6「カン動！人とアキカンと」

今日の映画
・手錠のまゝの脱獄（アメリカ/1958年）
カテゴリー的にはサスペンス映画なんだろうけど、そこはスタンリー・クレイマー監督、サスペンスよりも人間ドラマに重点を置いている。そのためサスペンス映画としては物足りないが、人間ドラマは実によく出来ている。人種差別の問題、差別を超えた友情など、まったく飽きさせないドラマ作りは見事だ。ハラハラさせながら、最後の清々しさと感動を与える、まさに名作と言って良い映画だ。ここには最近の映画がなくした映画の本当の面白さがある。