真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
図書館で借りてきた「アイリッシュ・ヴァンパイア(ボブ・カラン/早川書房)」、読了。
吸血鬼ものの中篇集(4話収録)。2、4は比較的正統派の吸血鬼ものだが(一筋縄ではいかない話ではあるが)、1、3はかなりの異色作。それでも恐怖をメインにしてる辺りは素晴らしい。しかも、どの話も恐怖の対象を直接描写するのではなく、雰囲気や気配などから恐怖を作り出していので、かなり怖い話になっている。以下、作品ごとに解説。
「炉辺にて」…アイルランドを旅するレドモンドは、偶然今では廃村となったカッスルクィンへの道を見つける。近づかない方が良いと言われた村だったが、彼は何かに引き寄せられるように村に向かった。…城や森は出てこないが、このタッチは明らかにゴシック。内容は吸血鬼ものであることに違いないが、どちらかと言うと悪霊ものだろう。怪物をはっきりと描写せず、あくまでも不気味な風景、影などを中心に描写しているため、かなり怖い作品になっている。またアイルランドの荒涼とした、だが美しい自然の描写も美しい。★★★★☆
「森を行く道」…結婚に失敗し、人生に疲れたシネード。実家に帰りづらい彼女は、好きだった伯母の家にやってきた。ここは子供の頃、夏を過ごした場所で、近くには昔から好きになれなかった森も残っていた。そして彼女は、この森で少女が行方不明になる事件が多発していることを知る。…正統派吸血鬼もの。今回は、森が恐怖の対象。威圧的な森の風景、昼尚暗い森の小道、相変わらず、風景の描写が上手い。そして吸血鬼自体をあまり登場させず、正体不明の不安感を中心に描いているのが良い。これもなかなか怖い作品だ。★★★★☆
「乾涸びた手」…オカルトマニアの友人が、凄いものを手に入れたと言う。ダニエルは渋々彼の屋敷に向かう。そしてそこで彼が見たものは、「魔女の手」だった。…「魔女の手」に関する逸話は、それなりに面白いが、やはりこの話の最大の面白さは古い館で過ごす夜の恐怖だ。闇、何かの声、気配などの描写はマジで怖い。特に2日目の夜の恐怖は半端じゃない。4話中で一番怖い話だ。傑作。★★★★★
「仕えた女」…フィリップが子供の頃住んでいた土地にアルドナガップルのオシー一族が住んでいた。この一族の老婦人が死んだとき、村に奇妙な疫病が流行り始めた。…「スタンド・バイ・ミー」的に始まり、「呪われた村」的に話が展開する。つまりキング色が強い作品だ。あまり怖い話ではないが、「何かただ事でない事が起こってるぞ」的な展開はなかなかのもの。最後のちょっと意外な展開(吸血鬼の正体)も悪くない。★★★☆☆
今日のアニメ
・カオス;ヘッド #5「先導 guidance」
・喰霊 -零- #6「美敵(うつくしのてき)」…前回とうって変わって、今回は#1並のハードな展開。かなり修正されていたみたいなので、無修正版がどうなるか、ちょっと楽しみ。しかし、レギュラーと思われていた銀髪和風美女があっさり死亡したのには驚いた。ホント、先の展開が読めないアニメだ。