真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「あなたに似た人(ロアルド・ダール/ハヤカワ文庫)」、読了。
奇妙な味で知られるダールの短編集。葡萄酒の銘柄当てに、自分の娘と豪邸を賭けの代償にする男たちの話「味」、離婚を言い渡された妻が、発作的に夫を殴り殺してしまう「おとなしい凶器」、ライターで10回火が点くかと言う賭けをする「南から来た男」、兵士が体験する一夜の物語「兵士」、気に入らない夫婦の部屋に盗聴マイクを仕掛ける「わがいとしき妻、わが鳩よ」、船上の賭けで負けそうになった男がとんでもない行動に出る「海の中へ」、朝の通勤列車で出会った男がどうやら子供の頃のイジメっ子らしいと言う「韋駄天のフォックスリイ」、天才画家に背中に刺青を彫ってもらった男の話「皮膚」、布団の中に毒蛇が入り込んでしまう「毒」、この部分だけを歩いて家に帰る…っと言う子供の頃の遊びを描いた(最後にホラーっぽくなるのが良い)「お願い」、サーの称号を引き継いだ男が結婚しようとする「首」、音にとり憑かれた男が庭で奇妙な音を聞いてしまう「音響捕獲機」、女友達からある画家の秘密を聞く「告別」、自動的に文章を作る機械を作った男たちの話「偉大なる自動文章製造機」、ドッグレースでひと儲けしようと考える男たちの話「クロウドの犬」。以上、15編収録。
「おとなしい凶器」は大傑作、「味」と「南から来た男」は傑作。それ以外は悪くはないが凡作。もっとも、先の3編を読むだけで、本書を読む価値はある。その3編のみ、コメントする。
「味」→サスペンスが半端ない。読んでいて、心臓が止まりそうになる。しかも、賭けをする人間の心の闇がマジ怖い。★★★★☆
「おとなしい凶器」→夫を殺す凶器が何とも意外。だが本作の本当の面白さは、その凶器の処理の仕方。まさにブラックの極致とも言えるその方法は圧巻。そして、その結果とも言うべきオチが絶品。ミステリーを語る上でも必ず出てくる作品なので、必読すべし。はっきり言って大傑作。★★★★★
「南から来た男」→「ヒッチコック劇場」などで映像化されているので、知っている人も多い筈。サスペンスたっぷりの作品だが、どちらかと言うと映像向きかも。文章ではちょっと物足りない。★★★★☆
※上記以外は★★★☆☆
今日のアニメ
・普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。(再見) #7「いろいろ増えてみた。」
今日の映画
・檸檬のころ(ゼアリズエンタープライズ/2007年)
5人の高校生の卒業までの半年を描いた青春ドラマ。特にストーリーらしいストーリーはなく、淡々とした展開だが、なんか良い。切なくて、甘酸っぱい内容は完全に私好み。…って言うか、この手のドラマに弱いです、私。それにしても、あの頃に戻りたいな。★★★★☆