真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「昇天する箱舟の伝説(矢野徹/ハヤカワ文庫)」、読了。
矢野徹の「伝説」シリーズと呼ばれるものを集めた短編集。但し、SF、怪談、ミステリーと内容はバラエティに富んでいる。
「雪嶺の密使」→ヨガの秘法を習うために、インドにやってきたサブロウ。彼はそこで知り合ったアモラと言う女性に、習うにはチベットに行かなければいけないと告げられる。やがてチベットに着いたサブロウは、ある事件に巻き込まれ…。…秘境探検ものかと思わせて、実はミステリー。但し、それほど面白いものではない。本編のヒロインである白菊(ハロ)の可憐さだけが救い。★★★☆☆
「さまよえる騎士団の伝説」→ドイツ・バイエルンの更に東部にあるノルマンズドルフ。ここに4年に1度の閏年の2月29日の夜、騎士団の幽霊が出るという噂を聞いた。噂を教えてくれたドイツ人ガールフレンドのHと共に、僕は現地に向かうが。…よくある幽霊談だが、ガールフレンドが幽霊にさらわれた後が話のメインになる。話の雰囲気もなかなか良いし、主人公の調査によって分かる各エピソードも面白い。怪談ともSFともとれるラストもなかなかのものだ。★★★★☆
「太陽神への讃歌」→ギリシャ・ミコノス島で、日本人考古学者T・Hが奇妙な壺を発見した。中に入っていたのが、嘗てナチが廃却した幻の書「ポセイドン記」。ギリシャ人娘のマリアは、それが自分の父が書いた書だと主張するが。…話の大半は「ポセイドン記」に書かれている物語で、これがあまり面白くない。しかもそれに続く、現代の話が別にSFでもホラーでもなく、少々期待はずれ。謎を多く残し、何となく不気味な余韻を残すラストは悪くないが、全体的にイマイチの出来かな。★★★☆☆
「昇天する箱舟の伝説」→終戦直後のドイツ・ブレーメンで、僕は日本人と出会った。彼は安藤と名乗り、彼が戦時中、潜水艦に乗っているときに体験した話を聞かされた。それはまさに驚くべき話だったが。…一種のロストワールドもの、っと言うか、異界もの。一見楽園と思われた世界に、ある秘密があって…っと言った内容で、悪くはない。ただ真相がそれほど面白くないのが難か。★★★☆☆
今日のアニメ
・おまもりひまり #6「キス×ネコ×KISS」…緋鞠が発情(笑)。
・君に届け #11「とくべつ?」
今日の映画
・つみきのいえ(ROBOT/2008年)
アカデミー短編アニメ賞受賞作。水没し続ける世界で、家を上に上に積み木のように建て増していく。そのシュールで幻想的な描写がなんとも良い。…っと同時に後半の、下へ潜るにつれて過去の記憶を思い出していく展開が、実に切ない。かなり好きなタイプの作品だ。
・或る旅人の日記(ROBOT/2003年)
短編アニメ。旅人ロドルが旅先で出会う、不思議な数々。「光の都」、「真夜中の珈琲屋」、「小さな街の映画会」、「月夜の旅人」、「憂鬱な雨」、「花と女」の6つのエピソードからなる。巨大な生物の背中にある町や、コーヒーの中を泳ぐ魚など、幻想的な描写がなかなか良い。
・或る旅人の日記 赤い実(ROBOT/2004年)
旅人トートフ・ロドルは旅先で赤い実を見つけた。すると幻覚が見え出し…。「或る旅人の日記」の続編。前作ほど面白くない。