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真夜中のティータイム

気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。

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M・R・ジェイムズ怪談全集1(M・R・ジェイムズ/創元推理文庫)」、読了。
15編の怪談を収録した短編集。以下個別にコメントする。
「アルベリックの貼雑帳」→ケンブリッジ大学の学者がサン・ベルトランの聖堂を訪れた際、偶然歴史的価値の高い古書を手に入れるが。…一種の悪魔もの、と言うか妖怪もの。悪くはない、まぁまぁ。★★★☆☆
「消えた心臓」→孤児になったスティーヴン少年が、アズワービー館で暮らすことになるが。…真相は想像がつくが、ゴシックホラー的な恐怖は悪くない。★★★☆☆
「銅版画」→美術収集家が奇妙な銅版画を手に入れる。…絵にまつわる恐怖。良くある話と言えばそうなんだが、気味の悪さが絶品。★★★☆☆
「秦皮の樹」→魔女裁判により、一人の貴婦人が処刑された。だがその直後、その処刑に立ち会った長官代理の男が自室で黒くなって死んだ。…魔女ものと言うよりは、妖怪もの。最後の化け物登場も含めて、結構私好み。★★★☆☆
「十三号室」→デンマークのユトランド半島を旅したとき、男は「金獅子亭」と言う宿屋に泊まった。彼は14号室の隣の12号室に泊まったのだが。ある筈のない13号室の中から足音と息遣いが聞こえる。…恐怖のテンションが段々増幅していく、ラスト数ページが実に怖い。★★★★☆
「マグナス伯爵」→ラクソールと言う男がスカンジナヴィアを旅行したとき、マグナス伯爵が書いた「黒魔術の書」を見つけ、伯爵の存在を知る。…傑作らしいが、私は「う~~ん」って言う感じだった。何が怖いか分からないのが原因か?★★★☆☆
「笛吹かば現れん」→パーキンズは東海岸に行ったとき、探索を頼まれていた聖堂騎士団の建物に立ち寄った。そこで彼は、古びた笛を見つける。その夜、その笛を吹くと。…何かがやってくる…っと言うタイプの怪談。得体の知れないものが来る怖さがなかなか良い。最後まで、その正体が分からないので、恐怖が倍増だ。★★★★☆
「トマス僧院長の宝」→古版本に書かれている文字の解読をしたサマトンが、ふさぎ込んでいる。友人のグレゴリーは彼を訪ね、そこで聞いた話とは。…なかなかサービス精神満点で、楽しめる一編になっている。古版本に書かれている文字の解読(暗号解読)→その文字に従ってのダンジョン探索→異形の化け物との遭遇(恐怖シーン)…っと言う流れが実に楽しい。文句なく楽しめた作品だった。★★★★☆
「学校綺譚」→30年前、ぼくがまだ学生だった頃の話。新任の教師が学校にやってきた。だがある日、ある学生の答案を読んで、不機嫌になった。更にその教師の周りで、奇妙なことが起こり。…一種の幽霊話のようだが、詳細が語れないので、真相は不明だ。しかも、学生が怪異らしきものを目撃するだけなので、少々迫力不足。★★★☆☆
「薔薇園」→アンストルーザー婦人は空き地を整理して、薔薇園を作ろうと計画する。だが友人から、ある話を聞く。話は、昔友人の兄がそこで奇妙な夢を見たと言うのだが。…奇妙な夢と、空き地に洗われた異形もの。考え方によっては、結構怖い。またある程度説明もあるが、細部がはっきりしないと言うのも、怖さのひとつだ。★★★☆☆
「聖典注解書」→ある日、図書館に老紳士が現れ、とある本を貸してくれと言った。だがその本は誰かが借りたのか、無く、老紳士は渋々帰った。次の日、再び老紳士がやってきた。係員がその本を探しに行くと。…幽霊絡みの話ではあるが、怖い話ではない。どちらかと言うと、ミステリー&冒険ものか。悪くないけど、少々物足りない。★★★☆☆
「人を呪わば」→カースウェルは学会で錬金術の講演をすることを断れらた。カースウェルはこの判断を下した人間を恨み…。…一種の呪いものだが、あまり面白くない。★★☆☆☆
「バーチェスター聖堂の大助祭席」→ヘインズ博士が変死した。彼の日記によると、とある彫像を調べていることに端を発しているようだが。…よくある怪異談で、それほどのものでない。まぁまぁの出来か。★★☆☆☆
「マーチンの墓」→殺人者マーチンに興味を持った私は、当時の裁判の記録を見つけるが。…ちょっと不思議な話ではあるが、あまり面白くない。★☆☆☆☆
「ハンフリーズ氏とその遺産」→ハンフリーズが継承した屋敷の庭に迷路があった。ところがこの迷路、ハンフリーズは中心部に行けるのだが、それ以外の人間は中心部に行けない。…別に怖い話ではないし、さほど面白くもない。だが、屋敷の庭園にある迷路と言うのが、ゴシックホラー的で実に良い。★★★☆☆
お奨めは「十三号室」、「笛吹かば現れん」、「トマス僧院長の宝」。

今日の映画
大忍術映画 ワタリ(東映/1966年)
白土三平の同名コミックの映画化。ただ完全に子供向きの作られているので、原作のファンには不評だろう。私も以前原作を読んだことがあるが、原作がむちゃくちゃ面白かったので、この映画の出来にはガッカリした。それでも原作とは別もの、特撮ヒーローものとして割り切って観れば、それなりに楽しい映画になっている。また原作のシーンを髣髴させる部分があるので、その辺りは結構楽しめた。

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