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真夜中のティータイム

気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。

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アベラシオン(上)(篠田真由美/2006年/講談社)」、読了。
イタリアで絵画を勉強しようとする日本人留学生の藍川芹は、ルームメイトの誘いで冬のヴェネツィアで行なわれたパーティに出席した。だが、そこで奇妙な殺人事件と遭遇する。この事件が切欠で彼女は美術評論家のアベーレ・セラフィーノと知り合い、彼に北イタリアの山中にそびえる「聖天使宮(パラッツォ・サンタンジェロ)」に招待される。そこは正五角形をした巨大な館。しかも彼女は、そこでも殺人事件に遭遇する。

構想10年っと言うのは本当だろうな。とにかく、その知識量が膨大で半端じゃない。建築物、歴史(特にナチス)、神話などなど、もう呆れるほど。中でも凄いのが、美術に関する知識。よくここまで調べたな…って感じだ。それらを読んでいるだけで楽しいが、実はちゃんとしたゴシック小説にもなっているところがまた凄い。ゴシック小説の要である空間の描き方が上手いのはもちろんの事。風景、天候、闇などの描き方も実に上手い。またサスペンス、スリルが素晴らしく、かなり怖く、ハラハラする小説になっている。そして可憐であるが芯の強い主人公の芹、病弱だが頭の切れる美少年ジェンティーレなど、キャラも魅力的だ。まだ上巻しか読んでないので断定は出来ないが、たぶん篠田真由美の最高傑作だろう。

今日のアニメ
我が家のお稲荷さま。 #23「お稲荷さま。だいえっとする」…美咲中心の話なので、実に楽しかった。いや、彼女の台詞を聞いているだけで楽しいよ。
ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド #3「ティーン ウルフ」…話は段々とダークな方へ。結構私好みかも。穿いていない女の子も、何かありそうだし。しかし、生徒会長があれほど権限があるものなのか?(笑)

今日の映画
チェンジリング(アメリカ/2008年)
タイトルからケルト神話の「チェンジリング(取替えっ子)」の話かと思っていた。実際、最初の方はそんな感じの話だし。ところが蓋を開けると、まったく違っていた。要は警察の不正と汚職の暴露話であり、それに立ち向かった市民の話だった。つまり、如何にもクリント・イーストウッドらしい題材なのだ。…にしても、相当に酷い話だ。自分の無能ぶりを棚に上げて、保身ばかり。観ていて腹が立ってきて、気分が悪くなった。しかもこれが実話と言うから、呆れかえる。そんな訳で、中盤辺りまで観ていてかなりツライ映画だった。ところが、主人公を中心に市民が反撃を開始した途端に映画は俄然面白くなる。特に法廷で悪徳警官をやり込めるシーンは痛快だ。またミステリーとしての面白さもなかなかのものだし、希望を持たせたラストも後味が良い。まさに不愉快な傑作だと言ったところか。しかし、こう言う映画と撮らせたら、クリント・イーストウッドは上手いなぁ。

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