真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
図書館で借りてきた「けむりのお化け(岩崎書店)」、読了。
以前から「十三階の女」と言う短編を読みたいと思っていたのだが、それを収録した本が見つからなかった。最近、それが「けむりのお化け」と言う児童書の中に収録されていることを知り、読むことにした。児童書なので、訳に物足りなさがある。だが何はともあれ、現物を読むことが出来たので、これはこれで良しとしよう。さて、本書には3つの短編が収録されている。何れも「ミステリーゾーン(トワイライトゾーン)」辺りの1エピソードになりそうなSF&ホラーで、実に楽しかった。もっともっと、こう言う短編を読みたいものだ。以下、1話ずつコメントをする。
「十三階の女(フランク・グルーバー)」→人類学者のジェブリンはアマゾンに行くため、探検に必要な蒸留器をデパートに買いに行った。偶然に乗ったエレベーターで、それが13階にあると聞き、その階へ行く。だがそこは人っ子一人いない、がらんとした場所だった。…デパートを舞台にした「ある筈のない13階」と言う怪談話。実話怪談話の本などに収録されてもおかしくないくらい、リアルさのある話だ。その分、特に目新しさは感じられないが、不気味な余韻を残す終り方など悪くない(1948年)。
「怪物(ジェラール・クラン)」→ある日、地上に異星から来たと思われる怪物が現れた。政府は一般人に外出を控えるように呼びかける。だがマリオンの夫のベルナールだけが帰ってこない。…「怪物現る」的な話だが、怪物の正体の説明など一切なく、あくまでも夫婦の愛を描いている辺りが、普通と違う。侵略テーマSFでも異色作(本当に怪物が人類に危害を加えようとしたのか?…と言う疑問もあるし)。
「けむりのお化け(フリッツ・ライバー)」→ランが最初にそれを見たのは、帰宅途中の通勤列車の中からだった。それは黒い袋のような物体で、骨のないような手を振っていた。しかも、それは日に日に自分に近づいてくる。…フリッツ・ライバーと言えば、「魔の都の二剣士」などのヒロイック・ファンタジーが有名だが、こう言う作品も書いているのかと少し驚いた。さて本作だが、化け物の正体は一切説明なしで、ひたすら迫りくる異形の物体の恐怖を描いている。ラストで一応の決着はつくものの、相手の正体が分からないため、これで本当に終わりかと言う疑問を残す。不気味な余韻を残すラストだ(1941年)。
今日のドラマ
・252 生存者あり-エピソードゼロ(日テレ系で2008年12月5日放送分)
劇場版「252 生存者あり」の2年前のエピソード。ただ劇場版とはうって変わって、こちらはレスキュー隊訓練生の青春群像。話自体は劇場版と別物だが、キャラが重なっている部分があるのが面白い。また最後に地震があるものの、スペクタクルの面では劇場版に落ちる。だがドラマ自体はそんなに悪くない。
昨日、この作品を収めた本(児童向け)を近所の図書館で読みました。
この作品との出会いはかれこれ30年以上前になります。
当時、高校生だった私は旺文社の「時代」を買っていて
それに掲載されていました。
(同時掲載が杉村顕道氏の「ウールの単衣を着た男」でした。今でもその切抜きを持っています。)
なんというか衝撃的な結末には当時ボーゼンと。しまた。
たぶん、何年後かにまた誰かが
魔界の扉を開けたときはジェブリンも居る気がします。
確かにあの結末は凄かったですよね。
私と似たような感想を持った方がいて、嬉しいです。
ちなみに現在では、「怪物」は「フランス幻想小説傑作集(白水Uブックス)」で、「十三階の女」は「八月の暑さのなかで(岩波少年文庫)」で「十三階」と言うタイトルで読む事が出来ます。
ただ、ハヤカワ書房版「十三階の女」は未だに絶版なんですよね。
残念。
ところで私は、杉村顕道の「ウールの単衣を着た男」と言う作品は未読です。今度探してみます。