真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「火星のプリンセス(E・R・バローズ/創元SF文庫)」、読了。
実は数年前から少しづつ読んでいたのだが、本シリーズの1作目の「火星のプリンセス」を映画化した「ジョン・カーター」が4月に公開されるので、残りを一気に読んだ。
さて、今回読んだのは合本版。全11作中の最初の3作を収録したもの。
・火星のプリンセス(1917年)
エドガー・ライス・バローズの叔父である故ジョン・カーターの手記による物語。ジョン・カーターは元南軍騎兵大尉であったが、金鉱探索中にアパッチ族に襲われる。そして、逃げ込んだアリゾナの洞窟で夜空を見上げているとき、突然火星へと移動してしまった。たどり着いた火星はまさに戦国時代で、赤色人や緑色人などの火星人が、戦いに明け暮れていた。そんな中、緑色人の社会で地位を得たジョン・カーターは、ある日、赤色人の王女デジャー・ソリスと出会う。
分類すればSF、その中でもスペースオペラって事になるんだろうけど、はっきり言って、SF的な魅力は皆無。ノリとしては、冒険ファンタジーに近い。つまり、SFとして読めば失望するけど、ワクワクドキドキの冒険ものとして読めば、これが実に楽しい。だが、前半は意外なほど面白みがなく、結構退屈。この作品が面白さを発揮するのは中盤以降で、その辺りからどんどんテンションアップしていき、かなり楽しい作品になる。まさにバローズの面目躍如と言ったところか。…とは言うものの、実はそう言う部分より、ヒロインであるデジャー・ソリスの魅力の方が大きかったりする。当然、武部本一郎が描く、日本版の表紙の影響も大きいと思うが、それを差し置いても、かなり魅力的なキャラだと思うよ。★★★☆☆
・火星の女神イサス(1918年)
デジャーに会うため、再び火星へ飛んだジョン・カーター。到着早々、彼は植物人間の襲撃に会う。戦いの中、彼は旧友であり、サーク族の皇帝のタルス・タルカスと再会する。
前作より展開が早いし、物語としての面白さは増している。今となってはさすがに古臭い…っと思う個所も多いが、それでもそれなりに楽しむ事が出来た。ところで、ジョン・カーターとデジャー・ソリスとサビアの三角関係的な展開があったら、面白かったのでは…と個人的には思うのだが。まぁ、時代的に無理か。★★★☆☆
・火星の大元帥カーター(1919年)
愛すべきデジャーが、太陽宮に閉じ込められた。太陽宮の扉が開くまで、火星歴で1年かかる。当然、その前に彼女は餓死してしまう。それから半年が過ぎた時、ジョン・カーターは太陽宮の近くで、自分に恨みを持つサリッドを見かける。
ストーリーは前作からの続きで、大団円に向っていく。確かに面白い作品だと思う。ただ、この作品って、物語よりアクションが中心なんだよなぁ。特に本作はその傾向が強い。物語の面白さを好む私としては、少々ツライ内容だった。★★★☆☆
以下、参考までに残りの作品を書いておく。
・火星の幻兵団(4作目)
・火星のチェス人間(5作目)
・火星の交換頭脳(6作目)
・火星の秘密兵器(7作目)
・火星の透明人間(8作目)
・火星の合成人間(9作目)
・火星の古代帝国(10作目)
・火星の巨人ジョーグ(11作目)
今日のドキュメンタリー
・遠野物語…そう言うえば、柳田國男の「遠野物語」も途中で止まっているなぁ。
今日の映画
・燃えよ、マッハ拳!(中国/2011年)
サモ・ハン・キンポーとケイン・コスギが共演していたので観たが、二人は脇役で、主役はサモ・ハン・キンポーの息子のサミー・ハン。…にしても、これは酷い映画だ。観ていてちっとも面白くない。カンフー映画のくせにアクションシーンはほとんどなく、どうでも良い様な恋愛模様ばかり。最後に申し訳程度に試合のシーンがあるが、これが最悪に酷い。動きは悪いし、切れはない、スピードもない、スローモーションを多用しすぎなどなど。もう、全然迫力がないのだ。とりあえず一番良い動きをするはケイン・コスギだが、彼にしたってねぇ。はっきり言って、役者も悪いが演出も相当の悪い。所詮二世俳優の映画はこんなものか。70~80年代の面白いカンフー映画をさんざん観て育った者にとっては、失望以外何物でもなかった。