真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「彩雨亭鬼談 杉村顕道怪談全集(杉村顕道/荒蝦夷)」、読了。
1:「怪談十五夜」
少女相手に囲碁の勝負でインチキをした男の恐怖「白鷺の東庵」、息子に会いに来た父親の話「草鞋の裏」、モダンなアトリエで起こる怪音「兜鉢」、深夜、葬式の行列を見た男の話「深夜の葬列」、病の母親が生霊となって子供に会いに来る「黄八丈の寝衣」、夜、枕元に現れる二人の男女の幽霊「鳥海山物語」、深夜のタクシーに乗る幽霊「雨夜の客」、空き家を掃除する幽霊「空家の怪」、何者かがいる新居に引っ越してきた夫婦の話「離家の人影」、竜神の怒りを鎮めるため、自分の娘を差し出すと言ってしまった男の話「温泉寺奇譚」、住み家を失った古狐が豪家や寺で奉公する話「蛻庵物語」、八つ当たりされた狐の復讐「隻眼の狐」、人魂が家に入ってくる「二ツ人魂」、死んだ女房に再婚をしないと誓いながら、再婚した男の恐怖「下足番の話」。
…印象的なのは以下の作品。「草鞋の裏」、ちょっとしたオチがあり、実に良い話。「深夜の葬列」、これはマジで怖い。しかも真相がはっきりしなので実に不気味。
2:彩雨亭鬼談 箱根から来た男
同タイトルと同じ「白鷺の東庵」、夢の中で男が現れ預言する「黄牛記」、深夜、顔見知りのジンさんに会うが…っと言う「豆腐のあんかけ」、同タイトルと同じ「鳥海山物語」、自殺した劇団員にまつわる不思議な話「旅役者」、ある絵師が体験した二つの幽霊話「旅絵師の話」、美しい菖蒲の花を探して辿り着いた寺で美しい娘と出会う「扶桑第一」、同タイトルと同じ「草鞋の裏」、ある庄屋のダメな三代目の話「名鶉」、関東大震災のときの起こった不思議な話「箱根から来た男」、夏の盛りに寄席でウールの単衣を着た男と出会う「ウールの単衣を着た男」、僧侶に数珠で当てられた個所に痣ができた娘の話「痣」、家に伝わる妖刀村正の話「節句村正」、同タイトルと同じ「黄八丈の寝衣」、「二ツ人魂」と同じ「Nさんの経験」、同タイトルと同じ「兜鉢」、急死した後妻が現れる「後妻」、「離家の人影」と「空家の怪」と同じ「影二題」、死んだ先妻が後妻の夢に出る「夢の小布」、同タイトルと同じ「ある下足番の話」、もりそばを食べる幽霊の話「幽霊蕎麦」
…印象的なのは以下の作品。「扶桑第一」、何気に中国の幻相談にでもありそうな話。実に美しい話で、読んでいて楽しい。「ウールの単衣を着た男」、まるでイギリス辺りの西洋怪談を思わせる一編で、かなり面白い。怪談でありながら、日本特有の愛憎劇が一切ないのも良い。「節句村正」、過去と現在(戦時下)の二部構成。なかなか読み応えがある。
3:怪奇伝説 信州百物語
収録作が多いのでタイトルだけ列記。
「女夫石の話」、「諧謔全亨の話」、「水沢山の天狗の話」、「七久里の湯の話」、「鬚の玄三の話」、「蟇合戦の話」、「小袿の美女の話」、「二つ山の話」、「一つ目鬼の話」、「神戸の銀杏の話」、「蛍合戦の話」、「雨宮の猊踊の話」、「色形灰の御像の話」、「投草履の話」、「牛伏寺の話」、「猿猴屋敷の話」、「香爐岩の話」、「永寿王丸の話」、「蓮華温泉の怪話」、「佐々良峠の亡霊の話」、「徳本峠の小狐の話」、「穂高の公安様の話」、「お六櫛の話」、「駒ヶ嶽の駒岩の話」、「聖徳太子と駒ヶ嶽の駒の話」、「塩見嶽の狐の話」、「晴明の日除柱の話」、「人骨をかじる狐の話」、「田端の姫の話」、「槍ヶ嶽温泉の話」、「迎え瀧送り瀧の話」、「鼠の耕雲寺の話」、「星塚の話」、「太鼓石の話」、「弥太郎瀧の話」、「信濃の真弓の話」、「山辺温泉の話」、「四阿山の話」、「金台寺の話」、「好色灯台の話」、「お菊大明神の話」、「猿屋小路の猿の話」、「行生猿女の話」、「安養寺阿弥陀如来の話」、「左宮司の話」、「善仲院観世音の話」、「東條の泣き坂の話」、「御手洗弁天の話」、「大石大明神の話」、「明徳寺の弥勒菩薩の話」、「福徳寺の涅槃像の話」、「虫歌観世音の話」、「銅鑵子の話」、「鳴門の森の話」
…印象的なのは以下の作品は「蓮華温泉の怪話」。実によく出来た怪談で、最後の数行はマジで怖い。
4:彩雨亭鬼談拾遺
手相占いによって狂わされていく男の話「手相奇談」、同タイトルと同じ「木綿針」、泊った宿屋で咳が聞こえてくる「咳」、かるた大会中に助言が聞こえてくる「囁く人」、「温泉寺奇譚」と同じ「大沼池の龍神」、「蛻庵物語」と同じ「興禅寺の狐檀家」
…印象的なのは「手相奇談」。話の大半はなんとミステリー。よく考えれば大したトリックではないが、本書に収録されているので油断して驚いてしまった。ただ、ラスト近くの怪談はありふれた話でイマイチ。しかも、ミステリーと怪談がチグハグで、あまり噛み合ってない。趣向が面白いだけに残念。「咳」、極々普通の怪談。でも怖い。
今日のアニメ
・東京魔人學園剣風帖 龍龍 #1「逢魔ヶ刻」&#2「桜下春怨の遭遇」
・たまこまーけっと #1「あの娘はかわいいもち屋の娘」(再見)
今日のドラマ
・スリーピー・ホロウ #1「首なし騎士の復活」…
タイトルが「スリーピー・ホロウ」となっているが、首なし騎士の話ではなく、黙示録の四騎士が復活する話。単なる都市伝説ものと思っていたが、意外とスケールのでかい話だった。このスケールのでかさが仇にならなければイイが。
今日の映画
・寄生獣 完結編(東宝/2015年)
去年公開された「寄生獣」の後編。今回も原作に比較的忠実のようで(TVアニメの方しか観てないので断定はできないが)、なかなか良い出来だ。ただ、確かに前作よりはアクションもVFXも増えてはいるが、全体的に物足りない。クライマックスの浅野忠信との死闘のようなシーンがもう少しあれば、満足できたと思うのだが。あと、これは原作の問題ではあるのだが、「人間の方が寄生獣だ」云々のテーマは、やっぱ観ていていウザイ。もっと、ストレートな侵略SFが出来なかったものかな。…っとは言うものの、最近の日本映画にしては出来が良い方なので、劇場で観る価値は十分にある。★★★★☆
どのお話も読み終わってしばらくして
なんかゾクッとする感じがして他の怪談小説とは
ちょっと違う気がしました。
ところで、「ウールの単衣を着た男」ですが、
二人が入った天ぷら屋は
新宿に実在する店の様です。
実際、三越の裏に確かに店が二つあり
たぶん、どちらかだと思います。
(ただ場所柄とてんぷらと言う料理の関係で
かなりの「お足」を取られそうですが…)
寄生獣の完結編ですが、
近日中に私も行きます。
(前売り買いました。)
なかなか面白かったです。
日本の怪談と言うよりはイギリスの怪談のような感じで、個人的に好みです。
>ところで、「ウールの単衣を着た男」ですが、
>二人が入った天ぷら屋は
>新宿に実在する店の様です。
ほぅ、そうなんですか。
機会があれば行ってみたいです。
(東京には数年に一度行く機会があるので)
>寄生獣の完結編ですが、
>近日中に私も行きます。
ぜひ、感想をお聞かせください。
チケット購入時は、ほとんど空席だったのに
劇場に行ったら「完売」になっていて驚きました。
前作よりも展開がスピーディーで見ていて気持ちよかったです。
特に市庁舎の攻防と田村の赤ちゃんの話が同時進行させると言うアイデアは
良かった気がします。
ただ、上映時間の関係で田村と3人のパラサイトの対決と
市庁舎内でのゴトウとの対決があっさりしすぎて残念でした。
ソフト化ではそこを入れて欲しいです。
(撮影していればの話ですが…)
上映までの待ち時間の間、上映予定の作品のチラシをみていたら
「チャイルド44」と言う作品を見つけました。
これは結構期待できそうです。