真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「オーブランの少女 (深緑野分/ミステリ・フロンティア)」、読了。
「オーブランの少女」→異様な風体の老婆に庭園の女管理人が惨殺された。私は偶然、その管理人の妹から日記を手に入れた。それによると、この庭園に嘗て重度の病や障害を持つ少女が集められたらしい。日記の内容と殺人事件に何か繋がりがあるのだろうか?。…全編ミステリアスな雰囲気に覆われているが、これってミステリーじゃないよね。残酷で耽美な少女たちの物語で、あえて言えば、浮世離れした人間ドラマって言ったところか。つまり、個人的にはかなり好きなタイプの作品だったりする。毒を含んだ少女たちの思惑が、かなり魅力的。また、冒頭で起こる殺人事件の真相もなかなか面白い。★★★★☆
「仮面」→医者のウォルターとメイドのアミラが共謀して、ある殺人を行った。その理由とは。…こちらは完全にミステリー。出来もなかなかのもので楽しい。だが、それで終わりではない。後半、とんでもないどんでん返しがあって、かなり読ませる。ただ個人的には、もう一つくらいどんでん返しが欲しかった。★★★★☆
「大雨とトマト」→ある大雨の日、料理屋に常連であるみすぼらしい男がいた。やがて、一人の少女がやって来た。…人生の一片を取り出したような短編。ラストで少女と男の意外な正体が分かるが、あくまで人間ドラマであって、ミステリーではない。それにしても文が上手いなぁ。読んでいるだけで、情景が手に取るように見えてくる。★★★★☆
「片想い」→昭和初期の全寮制の女子校。薫子には環と言う、何故か同性にもてる友人がいた。だが彼女は時々奇妙な行動をとる。何か秘密があるようだ。…環の正体が本作の要だが、これがなかなか面白い。ミステリーでよくある○○○○と言うトリックを使っているのだが、こう言う使い方もあるのかと感心した(まぁ、実際には不可能だけど)。しかも、百合小説としても上の部類で、収録されている作品の中でも一番好みだったりする。★★★★★
「氷の皇国」→北欧のラズラトリアで発見された首なし死体。この死体は数十年前、ユヌースクで起こったある出来事に端を発する。…収録されている作品の中で一番ミステリー色が強い。ミステリー自体はまぁまぁだが、本作の最大の魅力は人間ドラマ。ある一人の少女の残酷さや哀れさがよく描かれていて、実に読み応えがあった。北欧の寒々しい風景の描写も素晴らしい。★★★★☆
[総評]…収録されている作品がどれも水準以上の出来。これでデビュー作と言うんだから、末恐ろしい。この作者の名前は覚えておいた方が良さそうだ。
今日のアニメ
・ブラック・ブレット #1「最後の希望」…警備会社社長の天童木更が可愛かったが、肝心の内容がギャグ寄りのSFアクションなので、あまり好みでない。視聴中止。
・マンガ家さんとアシスタントさんと #1「おっぱいを究めろ!」+「夢見るお仕事」+「パンツウォーズ」+「音砂みはりの休日」…エロネタが多い、おバカアニメ。これも観なくてイイや。
今日のドラマ
・CAMELOT~禁断の王城~ #3「グィネヴィア」…なかなか話が進まんなぁ。