真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「氷の下の暗い顔(小松左京/角川文庫)」、読了。
「歩み去る」→私は数年に一度、世界各地の不思議な若者たちと出会う。彼らは何かを探しているようなのだが。…地球の常識やしきたりに縛られず、宇宙へ出ていこうとする新しい世代を描いた大いなる人類賛歌。まさに小松左京版「幼年期の終わり」って言った感じの作品だ。読んでいて、実に気持ち良い。★★★★☆
「劇場」→地球によく似た惑星が発見された。名前はデラと言い、その大きさはほぼ太陽ほどであったが、環境は地球に似ていたし、そこに住むデラ人も地球人に近かった。彼らには娯楽と言うものがほとんどなかったが、その中で劇場だけが人気だった。だが、この劇場は地球のそれとは違い、聖堂のような意味合いがあるようなのだが。…劇場の秘密を探るのが、本作のメインの内容。だが最後まで読んでもはっきりとして解答が書かれていない。前後の文章から、たぶん○○○○○ー○だと思うのだが。★★★☆☆
「雨と、風と、夕映えの彼方へ」→男と老人が小屋に住んでいた。外では雨がずっと降り続いている。まったく止む気配もなく。やがて老人が消えて、雨が止んだ。すると今度は別の男、遭難者がやってきた。今度は風が吹き始めた。…叙情的なタッチだが、内容は結構ハードSF。小松左京版「ソラリスの陽のもとに」と言ったところか。もっとも真相はあの作品とは全く違うけど。結構面白い。★★★☆☆
「氷の下の暗い顔」→地球から200万光年離れた惑星で、この惑星の住人とは明らかに違う、地球人に酷似した巨大な顔の彫刻が発見された。…小松左京の作品の中でもベスト1と言う人がいるが、確かにそうかもしれない。タイトルになっている「氷の下の暗い顔」の正体はある程度説明されるが、そう言う事ははっきり言ってどうでも良い。地球とは生物体系も惑星構造もまったく違う惑星。地球の常識では理解できない、その異世界の描写が圧巻。それが本作の最大の読みどころだ。★★★★☆
今日のアニメ
・カンピオーネ! #3「遠方より敵来たる」
今日の映画
・おおかみこどもの雨と雪(東宝/2012年)
「時をかける少女」、「サマーウォーズ」の細田守の最新作だが、前2作とはかなり雰囲気の違う作品に仕上がっている。最後に笑顔になるのは同じだが、結構ツライシーンが多い。つまり、前2作よりは上の年齢を狙って作っているようで、明らかに大人向きに作ってある。さて映画は前半、花の子育て奮闘記って言う感じで進み、後半は二人の子供の行く末を描いている。前半と後半のノリが少々違うのが気になるが、まぁ目くじらを立てるほどのものではないし、ストーリー自体はよく出来ているので、最後まで楽しむ事が出来た。
ところで意外だったのが、主人公。観る前は雪が主人公でメインヒロインだと思っていたが、実際は母親の花の方で、雨と雪はどちらかと言うと脇役だった。それにしても、花のキャラは魅力的だ。可憐で、純粋で、しかも芯が強い。これほど魅力的なキャラもそうそういるもんじゃない。CVを担当した宮崎あおいの力もあるんだろうけど。
・メリダとおそろしの森(アメリカ/2012年)
中世スコットランドを舞台にしたファンタジーアニメ。人間の絆を回復していく物語であり、心の成長の物語でもある。はっきり言って、よくある話だし、テーマに新鮮味はない。だが逆に言えば、安心して楽しむ事が出来る内容と言ってよい。それにしても、主人公であるメリダのキャラが外見、内面共に実に魅力的。彼女の魅力の為に、最後まで飽きずに観ることが出来た。
ただ反面、不満も結構ある。(1):ファンタジーの割りに、冒険の要素があまりない事。舞台は最後まで、城と近くの森だけ。(2):意外とドタバタが多く、せっかくのロマンチックな雰囲気を壊している事。特にクマとの城脱出のシーンは長すぎる。(3):メリダが弓の達人であると言う設定がほとんど生かされてない。もう少し脚本を煮詰めれば、かなりの傑作になったと思うんだけどなぁ。
毎日暑いなぁ。
今日のアニメ
・人類は衰退しました #3「妖精さんたちの、さぶかる」…BL本大戦争。これって、ギャグなのか?。段々と判断に困るアニメになってきた。
今日の映画
・POV~呪われたフィルム~(東宝映像事業部/2012年)
最近流行のフェイク心霊ドキュメンタリー。…なのだが、これは酷過ぎる。役者がヘタクソでまったくリアリティがないし、脚本も相当にむちゃくちゃ。これが、鶴田法男監督作か?…って言うくらい出来が悪い。しかも、これがフェイクドキュメンタリーである事を忘れたのか、はたまた悪乗りし過ぎたのか、途中から普通のホラー映画になってしまう。学校のシーンなんて、サービス精神あり過ぎで大爆笑ものだし(ほとんどお化け屋敷のノリ)、最後のオチはまったくギャグ。OVなら兎も角、これを劇場で流しちゃいかんよ。
「星空の神々 全天88星座の神話・伝承(長島晶裕/新紀元文庫)」、読了。
全店88星座の概略と神話を紹介したガイドブック。星座とその神話が好きな私にとっては、堪らない本だ。はっきり言って、ほとんど知っている事ばかりだが、読んでいて楽しいから全然OK。最後の方は占いとしての占星術と、科学としての天文学知識も紹介していて、神話以外の内容も楽しめる。色々とお得な本だ。…にしても、南天の星座って面白みに欠けるよなぁ。個人的はあまり好きじゃない。
ところで本書にも書いているが、科学の発達により、本来学問であった占星術がオカルトと評価され、非学問として扱われるようになった。理由は科学が占星術より便利であったからに他ならない。もし科学より便利なものが現れたら、科学も非学問として扱われるようになるだろ…っと書かれていた部分が非常に面白かった。この考えには、私も大賛成。未だに科学万能と言う迷信を信じている人も多いが、実際科学に限界が来ているのも事実。科学では説明がつかないことが如何に多いことか。やがて、科学にとって代わるものが現れるのは間違いないと思う。
今日のアニメ
・貧乏神が! #2「これぞまさに『神と少女の戦いが今、始まる――』って感じネ♥」…#1より面白くなっている。しかも、徹底的におバカアニメなので、その潔さに尊敬する。今期ベスト1かも。
・ココロコネクト #2「なかなか面白い人間達」…段々つまんなくなってきたぞ。もしかしたら、来週あたりで切るかも。
今日の映画
・巨大カニ怪獣の襲撃
(アメリカ/1957年)
妙にスケベったらしい目をしたカニ怪獣が出てくる作品で、一部のマニアの間では作品そのものより、そのカニ怪獣の方が有名。私もその存在は知っていたので、以前から観たかったが、今になってようやく観ることが出来た。さて内容は、放射能の影響による巨大生物ものの一遍だが、出てくるモンスターに知性があったり、テレパシーで人間を誘き寄せたりと、設定がなかなか面白い。観る前は「どうせ、観るに堪えないC級SFだろう」っと思っていたら、それなりに良く出来ていて、低予算映画ながら飽きずに観ることが出来た。全編シリアスなタッチで、雰囲気も悪くない。眉つばのような胡散臭い科学考証も楽しい。さすがは、ロジャー・コーマンと言ったところか。ただ、出てくる怪獣が先に書いた滑稽な姿なので、ちっとも怖くないけど(笑)。
「夜歩く(横溝正史/角川文庫)」、読了。
私は友人の直記からある相談を持ちかけられた。その内容は、腹違いの妹・八千代に届いた手紙、「われ東京へ来たれり。近く汝と見参せん。~汝夜歩くなかれ」のことだった。手紙の主は家族以外の誰も知らない、八千代の夢遊病のことを知っているようなのだ。この事に不気味さを感じた直記は、私に相談した訳だ。やがて、私は彼の家に向うが、そこで恐ろしい首無し殺人事件が発生する。
久しぶりに横溝正史の作品が読みたくなったので、未読の中から本作を読むことにした。…で、感想だが。出来自体は悪くないが、同作家の有名作品群と比べたら、やはり落ちる。ドラマチックな展開もないし、全体的に少々物足りない。但し、トリックに関してはなかなか良い。特に凶器をしまった金庫のトリックは、機械トリックでなく、心理トリックを使用しているため、真相が分かったとき、「なるほど」っと感心した。そして、最後の章で分かる本作品のメインのトリックもかなりのもの。ただ、こちらに関しては別の作家もので、このトリックを使った作品を読んでいるので、それほど驚かなかった。…って言うか、途中で「もしかしたら」っと思っていたくらいだった。総合的に見て、本作は横溝作品の中でも中の下くらいの出来かな。
今日のアニメ
・アクセル・ワールド #14「Arrestation;策略」
・氷菓 #13「夕べは骸に」…マン研が妙に陰険ムードなのがちょっと。
・乙女はお姉さまに恋してる #5「真夜中の教会」(再見)
今日の映画
・スペシャル・フォース(フランス/2011年)
フランス産のミリタリー・アクション。ハリウッド産と違い、痛快感より悲壮感が濃厚なのはお国柄か。しかも後半、ミリタリーと言うよりサバイバルものになってしまうのは、さすがにどうかと思う。アクションもストーリーも意外と盛り上がりに欠けるのも難。所詮は劇場未公開作…ってところか。
「地球人よ、故郷に還れ(ジェイムズ・ブリッシュ/ハヤカワ文庫)」、読了。
遥か未来。宇宙を放浪する巨大な渡り鳥都市・ニューヨーク、マンハッタン。この都市の食糧源であった星の影響で、食糧が減少。さらに備蓄した原油の残りも少なくなり、補給の必要が生じてくる。だが、補給が出来そうな近くの星系では、惑星間戦争が行っていた。
「宇宙都市」シリーズ3作目。読後の最初の感想、「これって、SFじゃないよねぇ」。いや、SFであることには違いないんだが、そのマインドと言うか、そう言う部分にSFが感じられない。つまり、作品にSFとしても面白さがないのだ。やはり、一般的に言われているように、これはあくまでもSF的な味付けをしたオーキー(大恐慌時代の根なしの出稼ぎ労働者のこと)の物語だと思う。オーキーの状況と言うか、プライドと言うか、そう言うものがメインの作品だ。そんな訳で、スペースオペラを期待した私には、少々期待ハズレだった。
今日のアニメ
・じょしらく #1「普段問答」+「ふく違い」+「叫び指南」…落語を題材にしたアニメかと思ったら、「生徒会の一存」のような単なる日常会話アニメ。この手の内容は嫌いじゃないので、観ようかな。
・宇宙兄弟 #15「アラームアリ時計ナシ」
・マジンカイザーSKL #1「Death caprice」&#2「Search-and-Kill」&#「Final Count」…おおっ、懐かしや。#1でガラダK7とダブラスM2が登場してる。(OVA/2011年/26分×3)
今日の映画
・ビッグ・ガン(イタリア/フランス/1972年)
組織を抜け出そうとした殺し屋が組織に妻と子供を殺され、復讐を決意する…っと言った暗黒街映画。ストーリーは悪くないが、観ていて非常に退屈。アクションが非常に少なく、アクション映画に成りきれていないし、かと言ってハードボイルドにもなってない。全体的に中途半端な印象だ。同じアラン・ドロンでも、「サムライ」とかは面白いんだがな。
・空飛ぶ円盤対鋼鉄魔人(山内特撮映画/2012年)
地球侵略を来た宇宙人と科学者の脳を埋め込んだ巨大ロボットが戦うCGアニメ。レトロ感溢れる映像は良いが、ストーリーと演出が酷過ぎる。短い作品なのに、非常に退屈だった。