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真夜中のティータイム

気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。

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10月はたそがれの国(レイ・ブラッドベリ/創元SF文庫)」、読了。
レイ・ブラッドベリには何故か秋が似合うので、晩夏から秋にかけて、のんびりと読もうと思っていたが、あまりの面白さに一気に読んでしまった(笑)。しかも他の作品も読みたくなり、読後すぐに、同作者の「何かが道をやってくる」をネットで注文してしまった(笑)。

さて収録作品は以下の通り。「こびと」…毎日、マジックミラーの部屋に行くこびと。「つぎの番」…墓地にミイラを見に行ったカップル。「マチスのポーカー・チップの目」…ジョージは一見、平凡な男だったが。「骨」…骨が痛む男。実は彼は。「壜」…見世物小屋で買った壜の中身は。「みずうみ」…夏が終りを告げる9月。少年は少女との想い出を残し、海を去る。そして10年後。「使者」…病気で寝たっきりの少年は犬を通じて、外のことを知っていたが。「熱気のうちで」…夏の暑い日、安下宿にすむ女を見張るふたりの老人。「小さな殺人者」…出産を終えたアリスは、最近殺意を感じる。「群集」…事故現場に集まる野次馬たち。彼らは…。「びっくり箱」…母親と二人で住む少年は。「大鎌」…道に迷った一家が、偶然広大な畑と家を手に入れるが。「アンクル・エナー」…アンクル・エナーの背には大きな翼があった。「風」…友人は何故か風を恐れる。「二階の下宿人」…新しい下宿人には奇妙なところがあった。だが、下宿人より下宿に住む子供のほうが…。「ある老母の話」…老婆の許に4人の黒服の男がやってきた。男たちは。「下水道」…雨の午後、妹が姉にする下水道での話。「集会」…皆が家に集まってくる。だが14歳のティモシーだけは。「ダッドリー・ストーンのふしぎな死」…25年間作品を発表してない作家が生きているのか死んでいるのかを確かめるために、男は作家の家に向かうが。

後期のレイ・ブラッドベリはSF作家と言うイメージだが、この短編集はファンタジー、しかもダークファンタジーの短編集と言った感じになっている。秋のどこか物悲しく、少し暗い雰囲気。まさにタイトルの10月を髣髴させる短編集だ。さてタイトルに10月と言う名があるように、ほとんどの作品が(秋だけではないが)季節感を感じさせる、味わい深い作品になっている。中でもお奨めは、…と言うかお気に入りは「使者」、「小さな殺人者」、「群集」、「下水道」の四篇。「使者」…これが一番のお奨め。本のタイトルを一番現している作品で、そのダークさが素晴らしい。ラストもかなり怖い。「小さな殺人者」…これも結構怖い。ネタバレになるのでタイトルは書けないが、ある映画の元ネタと思われる。「群集」…ぞくぞくするサスペンスと恐怖。最後の判明する野次馬の正体も良い。「下水道」…一番(描写が)美しい作品。中でもいつまでも降りそそぐ雨、マンホールへ流れていく雨水、そして、下水道の中の水、それらの描写が実に美しい。美しさと得体の知れない怖さを兼ね揃えた作品だ。

今日の映画
河童のクゥと夏休み(松竹/2007年)
よくある話だし、別に目新しい部分があるわけでもない。要は「ET」タイプの異生物との交流を描いた映画なのだが、これがかなり面白い。つまり、オーソドックスなスタイルをとることで成功した例だろう。当然、原恵一の演出力の素晴らしさも原因のひとつだと思う。中盤の人間の醜さを描いている部分はさすがに引いてしまったが、それ以外はクゥと康一の交流と友情がまったりと描かれていて、実に良い感じだ。これほど居心地の良い世界観もなかなかないと思う。そしてラストの別れのシーンは、不覚にもうるっときてしまった。流行や時代に流されないアニメの良作だ。

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