真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「灰色の女(アリス・ミュリエル・ウィリアムスン/論創社)、読了
アモリー家に伝わるローン・アベイ館。屋敷を手に入れた叔父のウィルフレッド・アモリー卿のために、テレンス・ダークモアはこの屋敷の下見にやってきた。そして屋敷の時計台で、彼は灰の服をまとったコンエスロ・ホープと言う美女と出会う。テレンスはコンエスロの美しさに惹かれるが、周囲で奇妙な事件が起こり始める。
黒岩涙香と江戸川乱歩の「幽霊塔」と言う翻案小説の元になった作品。内容は乱歩版と大同小異(端折った部分が多いが)。確かに乱歩版のような日本的な野暮ったさはなく、如何にもイギリスミステリー的な作りだが少々俗物的。似たようなゴシックミステリーを書く作家と比べても、少々格が落ちる。しかも猟奇趣味や異形趣味が少し露骨で、上品さに欠けている。確かにそれなりに面白い小説ではあったが、後々記憶に残る小説とは言いがたいと言うのが、正直な感想だ。…にしても、これゴシック小説かね。一般的にはゴシック小説なんだろうけど、私個人の意見としては「違う」と思う。…っと言うのも、空間が全く描けてないからだ。空間が描けてこそのゴシック小説なので、せいぜい似非ゴシック小説も良いところだろう。但し、灰色の女との出会いシーンや白い手の幽霊シーンだけは空間が上手く描かれているので、この辺りだけはむちゃくちゃ面白かった。結局、「レベッカ」を超えるゴシックミステリーはないのかな?(せいぜい「ジェーン・エア」くらいか?)。
ところで、「灰色の女」と言うタイトルは、ウィルキー・コリンズの「白衣の女」の意識していると言われているが、そうかな?。確かに全く意識してないことはないだろうが、基本的に「灰色の女」は「灰色の服を着た女」と言う意味でなく、「疑惑の女」と言う意味じゃないかな。英語のgrayが日本語と同様に、灰色=疑惑っと言う意味があるか不明だが。確か、grey=疑われている、だったような記憶があるのだが(汗)。英語に詳しい人、ぜひ教えてください。
今日のアニメ
・咲-Saki- #25「全国」(最終回)…百合シーンありの、温泉シーンありのサービス満載の回だった。一応、今週が最終回だが、第2期ありそうだな。ちょこっと登場する全国の猛者たちも今まで以上に人間離れしていて、全国大会が非常に気になる。是非、第2期を作って欲しい。
今日の映画
・ウォンテッド(アメリカ/2008年)
冴えない青年ウェスリーが凄腕の暗殺者になっていくアクション映画。予告編ではデジタル映像満載の映画のようだったが、実際に観ると意外や意外、アクションシーンでのデジタル処理は控えめで、普通のスタントアクションになっていた(CGやデジタル合成は所々でちょこっと挿入されるくらい)。ストーリーもそれほど悪くない(薄っぺらであることには変わりないが)。ただ、やはり監督が「ナイト・ウォッチ」のティムール・ベクマンベトフなので、センスがなさすぎる。特に列車のシーン(脱線)やネズミ爆弾のシーンは酷すぎる。こんなエグイシーンで楽しめと言うのか?。アクションシーンもせいぜい冒頭のカーチェイスのシーンが見れるくらい。結局、大金を使ったC級アクションって感じの映画だった。劇場で観なくて、正解だったよ。