真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「一角獣・多角獣」、読了。
SF、ファンタジー、ホラーと、色々なジャンルの作品が楽しめる短編集。しかもスタージョンの作品なので、どれも一筋縄ではいかない作品ばかりだ。個人的には「一角獣の泉」がお奨め、これは大傑作。この作品を読むだけでも、この本を買う価値がある。それ以外では、「孤独の円盤」、「反対側のセックス」、「監房ともだち」辺りがお奨めかな。以下、各作品ごとに解説をする。
「一角獣の泉」…沼のそばの村に、館に住む地主の娘リタと大人しい村娘のバーバラがいた。ある日、リタは村の青年のデルを誘うが。…今まで多くのファンタジーを読んできたが、これほど美しいファンタジーを知らない。沼地や月夜の情景、リュートで語られる歌、水を飲みに来る一角獣。どれもが絵画のように美しい。(★×5)
「熊人形」…四歳の子供と熊の人形の会話、子供が見る未来の夢。…時間テーマとも言えるし、超能力テーマとも言える。何と言っていいのか。つかみどころのない作品だ。(★×2)
「ビアンカの手」…ビアンカは醜い少女だったが、手だけは美しかった。その手に一目惚れしたランは、ビアンカとその母親がすむ家に押しかける。…奇妙な愛の物語。いや、もう奇妙としか言いようがない。(★×2)
「孤独の円盤」…海で出会った女の奇妙な話。彼女が17歳のとき、頭の上に小さな円盤が現れた。円盤の秘密を探ろうとする国家機関に追いかけられ、孤独な生活を送る彼女。だが。…一見SFのようだし、実際SFなんだが、円盤の正体が実にロマンチック。…なので、SFと言うよりはファンタジーに近いかな。ラストの暖かさも絶品。(★×4)
「めぐりあい」…レストランで偶然に知り合った女性に恋した僕。僕は彼女に声をかけるが。…恋愛小説のようなノリであまり面白くない。ところがラストでちょっとしたオチがあり、結構面白い話になる。まさに「胡蝶の夢」的な話だ。(★×3)
「ふわふわちゃん」…ランサムと、彼の愛人の飼い猫バブルズこと、ふわふわちゃんの会話。…男と猫が会話してるだけなのに面白い。特に毒満載のラストが絶品だ。(★×3)
「反対側のセックス」…公園でアベックが殺された。あまりに異常な殺人だったので、検察官に回されるが。…どういう風に異常なのかは、最後の方で説明される。結論を言えば、SFだ。…にしても、よくこんな設定を思いつくなぁ。かなり意表をつく話だ。(★×4)
「死ね、名演奏家、死ね」…俺は遂にラッチを殺した。一度目は正攻法に行って失敗した。二度目はこっそりやって失敗した。だが遂に殺した。何故俺がバンドのリーダーであるラッチを殺さなければいけなかったのか。それは…。…前半はアイラ・レヴィンの「死の接吻」のような倒叙ミステリーで、後半が妄想狂のサスペンスもの的に展開する。後半面白味がなくなるが(オチも事前に分かる)、前半は文句なく面白い。(★×3)
「監房ともだち」…刑務所に入っている俺の同室に、気味の悪い男が入ってきた。…一種のホラー。岩井志麻子の某小説にそっくりな、かなり気味の悪い話だ。(★×4)
「考え方」…人と少し違う発想を持っているケリー。そのケリーの弟が原因不明の難病になった。…呪いがテーマのホラー。まぁまぁの出来か。(★×3)
総評(★×3)
今日のアニメ
・BLACK LAGOON #17「The Roanapur Freakshow Circus」(再見)…シリーズ中でも、このエピソードが一番好きなんだよね。ですだよ姉ちゃんもでるし、ゴス子もでるし。
今日の映画
・ウール100%(クロックワークス/2005年)
日本を舞台にしていながら、ここまで無国籍のファンタジーが出来ると言うのが、ちょっとした驚き。だがかなりぶっ飛んだ話なので、内容がほぼ理解できない。はっきり言って、私はパスです。