真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「とらんぷ譚Ⅰ幻想博物館 (中井英夫/講談社文庫)」、読了。
トランプと言う事で、13の作品を収録した短編集。中井英夫と言えば、何と言っても「虚無への供物」だが、本人自体はこう言う短編のほうを好んだらしい。さて、収録作は以下の通り。バラの球根に取り付かれた男の話「火星植物園」、父親が息子に書いた母親の死に関する話「聖父子」、乗客のすべてが、何らかの殺人を考えている「大望ある乗客」、女が男に対する不信感を書いた「影の舞踏会」、老婆の許に送ってくる悪意ある品々「黒闇天女」、芸人の公演を見に来た記者の話「地下街」、家具職人が持っていた漢方薬を飲む「チッペンデールの寝台」、精神病院の院長から患者の話を聞く「セザーレの悪夢」、六つの手紙が奇妙な事件を伝える「蘇るオルフェウス」、公園で起こった奇妙な変死事件「公園にて」、パーンになった男の話「牧神の春」、バラ園が潰されることを知った一組の男女の話「薔薇の夜を旅するとき」、ある精神病院での話「邪眼」。
どれもこれも一筋縄ではいかない作品ばかり。一見、ミステリーやSFっぽいが、実は人間ドラマだったりして、先が読めない。個人的に印象に残ったのは「火星植物園」と「大望ある乗客」と「黒闇天女」の三篇。「火星植物園」はラストの「マタンゴ」を思わせる展開にゾッとする。「大望ある乗客」はミステリーのようでミステリーでない作品で、ラストが圧巻。「黒闇天女」はある程度察しが付くが、ラストのどんでん返しが素晴らしすぎる。(以上三篇が★★★★☆、それ以外は★★★☆☆)
昨日のアニメ
・Infini-T Force #9「IN FLUX」
・苺ましまろ #11「初雪」
今日の映画
・フォービドゥン 呪縛館(アメリカ/2016年)
よくある幽霊屋敷もの。まぁ、それは良いのだが、問題はストーリーや真相がちっとも面白くないこと。観ていて、実に退屈。★★☆☆☆