真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「少女が消えた小道(ジェイン・アダムズ/ハヤカワポケットミステリ)」、読了。
伯母の家に遊びに来ていたキャシーとその従姉のスージーは、グリーンウェイと呼ばれる小道に足を踏み入れた。ここは怪奇な伝説が残る場所で、決して近寄ってはならないと言われていた。その言葉の通り、キャシーは途中で意識を失い、気がつくとスージーが忽然と姿を消していた。それから20年後。キャシーは再びこの地に戻ってくるが、彼女は未だにあの時の悪夢にうなされていた。やがて、スージーに良く似た少女が同じ場所で再び消え…。
これは面白かった。読み始めたら止まらなくなって、一気に読んでしまった。冒頭の魅力的な謎から、読者を掴んで離さない。事件は段々と怪奇的な様相を示し始め、まったく先読みが出来なくなってしまう。これで合理的な説明がつくのかと、心配になるくらいに。また、夢の中に登場した女が実在していた…と言ったシーンは思わずぞっとするし、田舎の美しい風景描写も実に良い。これが処女作だと言うのだから、その力量に驚愕する。ただ、問題はラスト。ここまで引っ張ってきて、この呆気ないラストはちょっと頂けない。真相にも、イマイチ面白みが欠ける。それまでが面白いだけに、何とも残念だ。まぁ、この辺りが人間の想像力の限界なんだろうな。少女失踪を描きながら、映画「ピクニックatハンギング・ロック」のように、真相を提示しない方が面白いのだから。
今日のアニメ
・荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ 7BRIDGE×2「「第151話 橋の下の健康診断」+「第152話 島崎大暴走」+「第153話 病弱無人な闘い」+「第154話 橋の下の宇宙飛行士適性検査」+「第155話 悶絶ガマン大会」+「第156話 男達の挽歌」」…ラストがとてもギャグアニメとは思えない狂気さ。怖すぎ(笑)。
今日の映画
・日本の夜と霧(松竹/1960年)
60年安保闘争の概要とそれに関与した各派閥の主義を描いた、一種の政治映画。当時の状況を知るには参考になるが、でも、でもね、観ていてちょっとウザイ。私自身がここまで真剣になれる人間じゃないから、どん引きしてしまった。それにしても本作を当時、メジャーの映画会社が作ったと言うのが、今ではちょっと考えられない事だ。確かに時系列を切り刻んだり、フラッシュ・バックを使用したりと、映画技法がかなり優れているんだが、はっきり言って私好みの映画じゃない