真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
午後から雨が本格的に振り出した。
今日の映画
・超時空要塞マクロス 愛・覚えてますか(東宝/1984年)
当時流行っていたSF、ロボット、宇宙戦争、美少女、ラブコメ、三角関係、芸能界などをすべてを突っ込んで、ゴッタ煮にしたような作品。普通、こう言う内容にすると取り留めのないものになるが、そのどの要素も上手く出来ているし、そのすべての要素が上手く溶け合っているのが本作の見事なところ。そんな訳で、その各要素を少し詳しく書いたほうが良いと思うので、以下記することにする。
(1):SF→TVシリーズを観ていないと、分かりづらい部分もあるが、全体的なSF設定が良い。戦艦の中がひとつの町になっていると言う、ジェイムズ・ブリッシュの「宇宙都市」を彷彿させる設定と言い、人類の起源に遡る壮大な敵の設定と言い、どれも非常に魅力的だ。
(2):戦闘シーン→数回にわたり戦闘シーンがあるが、そのどれもがタッチが違い、非常に凝った作りになっている。これは本当に凄いことだ。勿論、板野サーカスもたっぷり観られる。
(3):ラブコメ&三角関係→この頃のアニメと言えば、これ。もう観ているこちらが恥ずかしくなってしまうようなシーンが連発だ。特に後半の輝と美佐とミンメイの修羅場のシーンなんて、今観ても最高だよ。ミンメイの「でもね、それでもね、私はあなたが好き」や「それより一緒にいて輝、どうせ死ぬなら、このまま一緒にいて」なんて言う台詞は、もう堪りません。また、そのときに描写される「こぼれ落ちるコーヒー」などは、演出の素晴らしさを感じる。
(4):センス→少し古い話になるが、日本のアニメに市民権を与えたのは「宇宙戦艦ヤマト」で、それにさらに高みにあげたのが「機動戦士ガンダム」。この説に異論はないと思う。ただ、この2作品は作風がまだまだ野暮ったかった。ところが、この「マクロス」は実にセンスが良く、洒落ている。それが特に感じられるのがセリフで、本作にはそれまでのアニメにあったようなクサイ台詞がほぼなく、会話が非常に自然なのだ。会話以外では、各キャラの仕草(手の動き、ミンメイを追いかけようとした際の輝の手もアップなど)や、動作(ステージの時のミンメイの振り付けなど)などが実に凝っている。ホント、どれをとってもセンスが良く、洒落ている。
(5):歌→飯島真理が歌う歌が数多くかかる。冒頭のコンサートのシーンでかかる「小百竜」と「私の彼がパイロット」、ミンメイと輝がシェルターに閉じ込められたときに歌う「0‐G LOVE」、ミンメイと輝がバルキリーに乗って土星上空をデートするときに歌う「サンセットビーチ」、ゼントラディ軍に捕まったときに歌う「シンデレラ」、輝がマクロスに無事生還したときに聞く「シルバームーン・レッドムーン」、クライマックスの戦闘シーンのときの「愛おぼえてますか」、エンディングの「天使の絵の具」。どれも良い曲だが、個人的には「天使の絵の具」が一番だな。「私をいつでも守ってたぁぁ、愛に気づかずぅぅ、」のあたりのフレーズが大好き。
(6):テーマ→このアニメのテーマは、観て者が誰でも感じるように「反戦」。面白いのは、マクロスを救い、宇宙を平和に導こうとするのは、兵器でなく一曲の歌。それも大したことがない、ありふれた、ごく普通のアイドルのラブソング。何と素晴らしいテーマじゃないか。★★★★★