真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「閉じた本(ギルバート・アデア/東京創元社)」、読了。
事故で眼球を失った作家のポールは自伝執筆のため、助手としてジョンと言う青年を雇い入れた。だがふっとした切欠から、ポールはジョンに疑惑を抱く。ジョンが語る世界の姿は果たして真実なのか?、何かがおかしい。
会話と独白のみで綴られた、面白い趣向のミステリーだ。ところでミステリー小説の場合、一方的な情報はまず騙されていると思って良い(栗本薫の某小説は典型的なそれだよね)。だから読者に一方的だと思わせないようにするのが、作家の力量なのだ。さて本書だが、疑惑の相手であるジョンは明らかに嘘を言っている。ポールからはそれが分からないが、一般的な常識を持つ読者ならすぐに分かることだ。つまり読者はこれが一方的な情報だとすぐに気づいてしまうわけだ。これが、このミステリーの最大の欠点。もうひとつの欠点は、真相の意外性がゼロである事。本書ではラスト50頁くらいから、真相の説明が語られ始める。ところが、この真相に意外性がまったくないのだ。こう言うものって、意外性が命なので、思ったとおりの回答と言うのはどうかと思うよ。しかも、これがあまり面白くない。続く、最後のオチも同様。最後まで読んで、何だかなぁ…っと思ったのが正直な感想だ。結局、アイデアは面白いのだが、内容がついていかなかった感じの作品だった。
今日のアニメ
・乃木坂春香の秘密 ぴゅあれっつぁ♪ #11「感じていたいです……」…メイド隊と乃木坂財閥にかかれば、あんな弱小プロダクションなんか(笑)。ところでライブのシーンでかかる「I Sing」が、実に良い曲だった。これ、CD化されてないのかなぁ。
今日の映画
・カンフーくん(角川映画/2007年)
おい、おい、何やってるんだよ、角川映画。何を目指して製作したのか、まったく分からない。とにかく完全に子供向き映画も良いところで(いや、幼児向きか)、まったく面白くない。リアルさなど皆無の敵キャラに、酷く幼稚なストーリー、そしてすぐにCGやデジタル映像で誤魔化す安易な演出。カンフーくんを演じたチャン・チュワンの動きはそれなりにイイのだが、アクション演出がまったくなってない。もうどこを楽しんだら良いのか。同趣向でも、昔観た「カンフーキッド」は面白かったんだけどなぁ。