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真夜中のティータイム

気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。

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野獣死すべし(ニコラス・ブレク/ハヤカワ文庫)」、読了。
推理小説家のフィリクス・レインは、交通事故で最愛の息子を失った。警察の懸命の捜査にもかかわらず、犯人が依然として分からない。かくなるうえに自ら調査し、犯人を探さなくてはならない。そしてフィリクスは、この見えざる犯人を殺すことを誓う。

タイトルが同じなので分かりづらいが、大藪春彦のハードボイルドではなく(こちらも傑作だが)、ニコラス・ブレクのミステリーの方。半年にも亘る警察の調査で分からなかった犯人が、意外とあっさりと判明する辺り、納得がいかないが、復讐のために緻密な計画をたて、行動する主人公の描写がなかなか読ませる。ところがいよいよっと言う段階になって、物語はとんでもない方に流れ、読者を呆気にさせる。この辺りの展開はホント面白い。実はここまでが伏線で、これからが本筋になる訳だ。だが、前半の復讐劇に比べ、単純な犯人探しミステリーになってしまったので、正直言ってガッカリした。しかも内容はありきたりだし、前半ほど面白みがない。…っ言う訳で、この変化に恨みを感じたが、これが大変な思い違いだった。実は最終章で一気に面白さを取り戻すのだ。そうか、こう言う話だったのか…っと納得。そして、この最終章で語られる二転三転する推理は、まさにミステリーの本来の面白さだ。実を言うと、私は最初に提示される人物が犯人だと予想していた。つまり、完全に騙されたわけだ。「ミステリーにおいては、一方的な情報は疑ってかかれ」って言う事を知っていたのに(苦笑)。

今日の映画
理想の女(ひと)(イギリス/スペイン/イタリア/アメリカ/ルクセンブルク/2004年)
最初、恋愛映画かな…っと思っていたら、人間ドラマだった。それも大人向けの苦めの、でも少し甘みのある。しかも下品さが微塵もなく、実に上品。こう言う映画を作れる人が今でもいるかと思ったら、嬉しくなったよ。ところで前半のアーリンの、自由奔放だが意思の強い生き方がカッコいいなぁ…っと思っていたが、後半の母と娘の名乗りあえない触れ合いがそれ以上に良かった。本作中でも、一番の感動シーンじゃないかな。もうひとつ、老紳士タピィ役のトム・ウィルキンソンが実に良い。こう言う年寄りになりたいものだ。

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