真夜中のティータイム
気になった事を気ままに書いていくブログです。 映画、アニメ、小説(SF、ミステリー、ファンタジー)、 ゲーム(主にRPG、格ゲー)の話題が中心になると思われます。
「壜の中の手記(ジェラルド・カーシュ/晶文社)、読了。
12本の短編からなるオムニバス幻想談。
「豚の島の女王」→ポルコジト島こと、豚の島で、白骨死体が発見された。死体の生前の名は、ラルエット。彼女は奇形だったが、足と手がない以外は美しい女性だった。彼女は、この島にサーカス団の仲間と楽園を作ろうとしたが。(1949年)★★☆☆☆
「黄金の河」→みすぼらしい男、ピルグリムが私に話した、南米での彼の体験。(1958年)★★☆☆☆
「ねじくれた骨」→終身刑で刑務所に入った男の半生。(1968年)★★☆☆☆
「骨のない人間」→クレア・ドッジ号で出会った男は、「骨のない人間」を恐れていた。…異形の生物を目撃すると言う話で、SFと言ってよい作品だ。悪くない。(1954年)★★★☆☆
「壜の中の手記」→私がメキシコで手に入れた壜の中から、アメリカの著名な作家ビアスの手記が出てきた。そこに信じられない事が書いてあった。…フィクションと言うよりは、ホラ話。ラスト近くでホラーっぽくなるのが良い。(1957年)★★★☆☆
「ブライトンの怪物」→1745年の8月、ブライトヘルムストン沖で、地元の猟師が人間に似た異形の化け物を吊り上げた。…怪物ホラーと見せかけて、実は…っと言う展開が面白い。怪物の正体もなかなかのものだ。だがホラーもしくはSFになりきれずに、ホラ話になってしまったのが惜しい。(1948年)★★★☆☆
「破滅の種子」→インチキ商売をするジスカ。彼は店にあった指輪を見て言った。「これは人を不幸にする指輪、破滅の種子だ」と。…嘘つきと思われていた男が、実は本当の事を言っていた。皮肉なラストが良い。(1947年)★★★☆☆
「カームジンと「ハムレット」の台本」→「ハムレット」の写本を、愛好家に売りつける話。(1962年)★★☆☆☆
「刺繍針」→女性が密室で殺された。それも頭蓋骨に刺繍針を刺すと言う驚くべき方法で。これは人間には不可能だ、超人的な力でもないと。しかも部屋には彼女の姪がいた。犯人は一体どうやって。…不可能犯罪ミステリー。最後で合理的に事件は解決するが、実はその真相より、ある事実にぞっ~とさせる話なのだ。まさに悪魔のような○○。これは傑作。(1953年)★★★★☆
「時計収集家の王」→ポメル伯爵が語ったニコラス王の死の真相。…先読みが出来ないストーリーで、結構楽しい。(1947年)★★★☆☆
「狂える花」→フォーフェニックス城の植物園が全焼したわけ。(1958年)★★☆☆☆
「死こそわが同志」→武器商人から持ちかけられた話。…止め処もなく進化する武器や兵器。まさにブラックヨーモア。(1938年)★★★☆☆
いずれの作品も幻想、怪奇、SFなどとジャンル分けを出来なくもないが、ホラ話と言ったほうがしっくりくる。つまりアイデアは面白いが、あまりリアリティが感じられないのだ。そんな訳で、あまり私好みでない。さて、その中で私のお奨めはなんと言っても「刺繍針」。必読と言って良い。それ以外では「骨のない人間」、「壜の中の手記」、「ブライトンの怪物」辺りがお奨めかな。
今日のアニメ
・グイン・サーガ #7「ノスフェラスの戦い」…戦闘がメインの回だったためか、今回はなかなか面白かった。
・ヴァンパイア騎士Guilty #6「偽りの恋人~ラヴァーズ~」&#7「茨の口づけ~キス~」…精神的に追い詰められていく優姫。その姿が妖艶なので、ぐっとくるものがある。そして遂に過去を思い出す優姫。うっ、次週が楽しみだ(原作を読んでいるので、展開が分かっているだけに特に(つまりあのシーンがあるのだ。ワクワク)。)。